Adobe Systemsは、同社の「Flash」技術を可能な限り広範に拡大させる取り組みの一環として、携帯電話への「Linux」搭載を推進する非営利団体LiMo Foundationに参加すると発表した。
Adobeの「Adobe Flash Player」はコンピュータ上では大いに普及しているが、プログラミング基盤を携帯電話に拡大しようと狙う「Adobe Flash Lite」をめぐる取り組みでは、さほどの成功を収めていない。より強力なスマートフォンによる新時代が市場に訪れるなか、Adobeはコンピュータ用ソフトウェアのフル機能を備えた軽量バージョンの「Flash Player 10.1」で再挑戦を試みる。Flash Player 10.1は、2010年上半期に正式リリースされる予定だ。
ただしFlashは現在、最も知名度の高いスマートフォンであるAppleの「iPhone」から締め出されているほか、新発売予定の「iPad」でも非対応となっており、Adobeはこうした状況をよしとはしていない。LiMoへの参加により同社には、携帯電話市場におけるいくつかの大手企業も含めた企業との連携を可能にする新たな道が開ける。LiMoのメンバーには、LG電子、NEC、NTTドコモ、Orange、パナソニック、サムスン、SK Telecom、Telefonica、Vodafone、Verizon Wirelessなどが含まれる。
Adobeによれば、Flash用プログラミングおよびオーサリングツール「Adobe Creative Suite」では、LiMo参加企業の端末向けにFlashプログラムを作成できるようになるという。これにより、各社製端末へのFlash構築が簡素化されると同社は述べた。
AdobeのFlash事業担当ゼネラルマネージャーであるDavid Wadhwani氏は、「『Adobe Flash Platform』をLiMoで広めることにより、リッチなモバイルコンテンツにおけるオープンスタンダードとなり、マルチスクリーンの相互運用性を高めるという当社の目標を推し進めるための大きな機会が開ける」と述べている。
この発表は現地時間2月15日、スペインのバルセロナで開催中のMobile World Congressで行われた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ