Sun Microsystemsは、Linuxディストリビューション「Debian」の創設者で、オープンソースOS関連の職を歴任したIan Murdock氏をチーフ・オペレーティング・プラットフォーム・オフィサーとして採用した。
Murdock氏はブログで、Linuxと、SunのLinux競合製品である「OpenSolaris」の、両方の仕事をする予定だと書いている。
ブログには「自分がこれからどうするつもりなのかについて、まだ多くを語るつもりはないが、私のバックグラウンドや以前の記事から、SolarisはLinuxとのユーザビリティ格差を縮小して競争力を持つ必要があると主張するだろうことは予想できると思う」とある。ただし、これは、SunのSolarisに限定してはいないという。「Solarisが中心になるにしても、プラットフォーム戦略において、Linuxが明確な役割を持つ必要があるという意見を強く持っている」のだという。
Murdock氏の前職はLinux Foundationの最高技術責任者(CTO)で、同団体のLinux Standard Baseに関する取り組みにおいて議長を務めていた。議長は今後も続ける予定である。
SunはLinuxに対し複合的なアプローチを取っている。当初Linuxを軽んじていた同社会長で元最高経営責任者(CEO)のScott McNealy氏は、一転してペンギンのマスコットの格好をし、支援を表明した。その後さらに、Linuxがトップシェアを持つx86サーバ用途に、絶滅寸前であったSolaris x86を復活させた。McNealy氏は2005年に、SolarisとWindowsがOS市場の「2つの明確な生き残り」になるだろうと予言している。
現CEOであるJonathan Schwartz氏のもとでSunは、中間的なアプローチを取っている。同社の「UltraSparc T1」(開発コード「Niagara」)ベースのサーバでLinuxが動くことを宣伝する一方で、Solarisの法的な安全性とテクノロジについて語ることで、両OSを支援している。Solarisマーケティング部門のトップTom Goguen氏が2007年2月に、Sunを退職する計画を発表している。
Murdock氏は、これまで長年Linuxに関わってきた。同氏は比較的初期のLinuxディストリビューションであるDebianの創設者である。Progenyという新興企業でDebianの商業化に挑戦したが、成果はあまりあがらなかった。2005年には、Debianベースのディストリビューションに向けた共通のソフトウェア基盤提供を目指すDCC Alliance(DCCA)の設立に協力した。しかし、Debian派生ディストリビューションとしてもっとも成功を収めていると思われるCanonicalのUbuntuは、DCCAのメンバーではない。DCCAのパートナーであるLinspireは、ベースとなるソフトウェアをDebianからUbuntuに切り替えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ