Microsoftは、論議を呼んだ「Get the Facts(事実を知ろう)」反Linuxキャンペーンを打ち切り、代わりにWindowsとLinuxの比較サイト「Compare」を新たに開設した。
Get the Factsキャンペーンの目的は、Windows Serverがオープンソースサーバ製品に比べ、より安価で信頼性が高いことをIT管理者らに納得してもらうことにあった。このキャンペーンはLinuxコミュニティの不評を買い、「Get the FUD(恐れ、不安、疑念を抱かせる)」キャンペーンだとした。
詳細なウェブサイトを使って展開されているこの新キャンペーンもGet the Factsキャンペーンと同様にユーザーに再検討を促し、Microsoftのオペレーティングシステム(OS)、アプリケーション、サーバ製品に目を向けさせることを目的としているが、その内容はGet the Factsよりもはるかに穏やかだ。
Microsoftの広報担当者は、「(この新サイトを開設した目的は)より多くの詳細情報の提供と、IT管理者が直面する多くの問題について顧客同士が意見を述べ合う場を提供することにある」と述べ、さらに次のように続けた。「ユーザーたちは、人々がOS購入時にどのような判断を下したかという事例に加え、(OSに関する)サードパーティの検証を求めていることが分かっている。そこで、同サイトでは、顧客のケーススタディや複数のプラットフォームを比較した研究レポートに加え、最良事例に関するガイダンスやウェブキャストなどを提供していく」
Compareには、調査会社IDCのホワイトペーパーなど、Linuxに対するMicrosoft製ソフトウェアの価値をユーザーに納得してもらうことを目的とした多くの情報が掲載されているが、あからさまにLinuxを批判するメッセージは見当たらない。
Microsoftはすでに市場シェアでLinuxを大きく引き離している。業界オブザーバーたちが、同社がオープンソースソフトウェアの開発を妨げていると指摘する根拠はそこにある。アナリスト企業HydrasightのMichael Warrilow氏は8月初めに次のように述べている。「ユーザーたちがWindowsを優れたOSと考えているか否かに関わらず、現在のWindowsのインストールベースやエクスペリエンスは過剰だ」
Microsoftは、これまで同社の独占禁止法違反容疑をめぐり欧州委員会との間でたびたび衝突してきたため、今回もLinuxとの競争が前面に押し出されることを恐れたのかもしれない。欧州委員会のMicrosoftに対する次回の裁定は9月17日に出される予定だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ