ノベル、Linux用セキュリティソフトウェア「AppArmor」の開発チームを解雇

文:Stephen Shankland(CNET News.com) 翻訳校正:大熊あつ子、長谷睦

2007-10-12 18:24

 Novellが、Linux用セキュリティソフトウェア「AppArmor」の開発企業Immunixを買収してから2年が経過したが、同社がその開発チームを解雇していたことが判明した。

 Immunixの創設者でAppArmorの開発責任者Crispin Cowan氏は2005年、同社が買収されると同時にNovellに籍を移した。しかし、Cowan氏自身が認めたところによると、同氏を含むAppArmorの開発メンバー5人は、米国時間9月28日付けでオレゴン州ポートランドにおけるNovellでの職を解かれたという。

 Cowan氏はAppArmorの開発を続ける計画で、同じくNovellを解雇された2人のプログラマーSteve Beattie氏とDominic Reynolds氏も加わり、10月10日にAppArmorのコンサルティング会社Mercenary Linuxを設立した。

 Cowan氏は11日の取材で「わたしには、評判という資産がある。ほかにも仕事は見つけられる。しかし、わたしはプロジェクトとしてAppArmorのことが気がかりだし、このプロジェクトが続いてほしいと思っている」と語った。ただし、この解雇は同氏にとっても意外なものだったようだ。「あっけにとられた。直前までボーナスが出て、昇給もあり、賞までもらっていたのに、突然解雇されたのだから」

 AppArmorは、各ソフトウェアに必要最低限の権限とアクセスだけを提供するセキュリティソフトウェアで、遠隔攻撃を企む攻撃者が、標的としたコンピュータを操って得られる力を抑える効果を持つ。Novellによると、AppArmorは今後も引き続き同社のウェブサイトにホスティングされるという。大手LinuxベンダーのRed Hatは、かつてAppArmorと争っていたテクノロジ「SELinux」を支持しているが、CanonicalはAppArmorを次期Ubuntu Linux「Gutsy Gibbon」(バージョン7.10)に組み込み、Mandrivaも同社の最新版Linux「Mandriva Linux 2008」にAppArmorを組み込んでいる

 Novellの広報担当者Bruce Lowry氏は、今回の解雇の詳細についてコメントを避けたが、人員削減は「われわれがこの1年を通して語ってきた、今も進行中のリストラ計画の一部だ」と述べた。リストラの取り組みには、「製品開発プロセスの改善」も含まれている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  2. セキュリティ

    マンガでわかる脆弱性“診断”と脆弱性“管理”の違い--セキュリティ体制の強化に脆弱性管理ツールの活用

  3. セキュリティ

    クラウドセキュリティ管理導入による投資収益率(ROI)は264%--米フォレスター調査レポート

  4. クラウドコンピューティング

    生成 AI リスクにも対応、調査から考察する Web ブラウザを主体としたゼロトラストセキュリティ

  5. セキュリティ

    情報セキュリティに対する懸念を解消、「ISMS認証」取得の検討から審査当日までのTo Doリスト

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]