増加傾向にあるMac版トロイの木馬--本格的な流行はまだ先

文:Liam Tung(Special to CNET News.com) 翻訳校正:編集部

2007-11-09 17:13

 Mac版トロイの木馬が先週発見された。これを単発の攻撃と考えているMacユーザーは、再考すべきだろう。

 セキュリティ企業のF-Secureはこのトロイの木馬の亜種を32種類発見している。しかし、専門家らによると、その脅威は大げさに言われすぎているという。

 F-Secureでチーフリサーチオフィサーを務めるMikko Hypponen氏は今週、自身のブログで、「われわれが先週公表したMac版トロイの木馬は単発の攻撃ではないようだ。これを仕掛けた者はWindowsユーザーだけでなくMacユーザーをも標的にしようと本気で考えていると思われ、Mac版トロイの木馬のわずかに変更したバージョンを繰り返し流している」と述べている。

 Mac向けセキュリティソフトウェアベンダーであるIntegoは先週、ポルノサイトを介して侵入するMac OS Xを標的としたトロイの木馬を発見した。

 このトロイの木馬はデジタルストリームをデコードするためのデバイスであるコーデックに扮し、ダウンロードされると、そのコンピュータのドメインネームシステム(DNS)サーバを変更してマルウェアを配布する者が選んだポルノサイトにリダイレクトさせる。主たる目的は、そのサイト上の広告をクリックさせ利益を得ることにあるようだ。

 F-Secureが発見した亜種32種の「本体」は、いずれもIntegoが最初に発見したものと同じものだった。しかし、F-SecureのテクニカルマネージャーであるPatrik Runald氏によると、このトロイの木馬はある種の偵察行為もしており、入手した情報をウクライナのIPアドレスに送っているという。

 同氏がZDNet Australiaに語ったところによると、このトロイの木馬は「コンピュータ名とOSのバージョンをウクライナの別のIPアドレスに送り、インストールを把握できるようにしている」という。

 このトロイの木馬にはWindowsプラットフォームの利用者を標的とするバージョンがあり、Runald氏は、そのWindowsバージョンから、このMac版トロイの木馬の背後にいるグループと、2007年に入ってからリリースされた「zlob」と呼ばれるマルウェアの背後にいるグループとが同一だと結論づけている。

 Runald氏は、「Zlobもクリック広告のようなものでPC上に広告を表示し、偽装コーデックを介して感染する」と述べる。

 そして、これはMacも「悪意ある者らの標的になり始めた」ことを示していると続けた。

 しかし、今回トロイの木馬が発見されたからと言って、Macプラットフォームを標的とするマルウェアが今すぐにも流行するというわけではないとも述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Pマーク改訂で何が変わり、何をすればいいのか?まずは改訂の概要と企業に求められる対応を理解しよう

  2. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  3. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  4. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  5. セキュリティ

    クラウド資産を守るための最新の施策、クラウドストライクが提示するチェックリスト

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]