Microsoftは「Internet Explorer(IE)8」に、新たにオプトインによる「super standards」モードを追加する計画である。しかしこの動きについて、開発者のなかには批判的な見方をする向きもある。
IE PlatformアーキテクトのChris Wilson氏は、IEチームによる米国時間1月21日のブログ記事のなかで、Microsoftが標準互換性を改善する計画の詳細を明らかにした。同社はこれを次期ブラウザのリリース時に実施することを約束した。
Wilson氏はMicrosoftが、IE 8では3つのモードを開発者に提供する予定であると述べた:現在のIEページおよびアプリケーションと互換性を有する既存の「quirks」モード;IE 7で提供されているものと同様で、「現在のコンテンツと互換性を有する」「standards」モード;そして3番目として、標準互換性の最高水準を保証するために「meta」要素の挿入を必要とする「super standards」モードである。
Wilson氏はこのように付け加えた:
「このアプローチは、ウェブ開発者が相互運用性を有するウェブ標準準拠のコードを容易に書くことができるようになる一方で、現在のコンテンツとの互換性問題を生じさせないようにした最善の組み合わせを提供していると考えている。このアプローチではまた、開発者が各自のスケジュールに沿った適切な時期に標準動作をオプトインすることを可能とし、開発者はIEの新バージョンが彼らの現ページで異なる動作を示したとしても強制的に応答モードに入らなくてよい。」
本サイトにおけるコメントのいくつかは、MicrosoftがIE 8の標準準拠を改善する計画のやり方に異論を唱えた。多くが、Microsoftはsuper standardsモードをデフォルトで有効にすべきだと考えている(オプトインで選択するのではなく)。標準互換性は下位互換性よりも重要であると考えられるためだ。数人の投稿者は、MicrosoftはquirksモードをIE 8リリースでは廃止すべきだと述べていた。
「こんなナンセンスはもうたくさん。このようなウェブは終わりにして、そしてもしかしたら、ついにIE 7前の時代の泥沼から抜け出すことができるかもしれない」と投稿者の「Xepol」は述べている。
もうひとりの投稿者「Sami」は、他の多くの意見と同調し、super standardsモードはIE 8の新デフォルトとなるべきだと述べた。「super standardsモードがむしろデフォルトで有効となるのを好む。ページが表示されなければ、ユーザーが自分でquirksモードに切り替えればよい。」
投稿者のEric Eggert氏も同意見である。「IEの最善バージョンをオプトインする必要はなくて良いはず。IE 8がIE 7のように動作することを期待している人がいるなら、そのような人はIE 8の動作をオプトアウトすべきだ。」Wilson氏は繰り返し、5億人以上のIEユーザーが存在するため、Microsoftが下位互換性を廃止することはできないと述べている。同氏は、最新のブログ記事のなかで、MicrosoftはIE 7の導入により多くにとっての「ウェブを遮断した」とし、同社はこれを再び繰り返すつもりはないと認めた。MicrosoftはWeb Standards Project(WaSP)と協力し、IE 8の標準計画を考案したとWilson氏は述べている。(WaSP-Microsoft Task ForceのメンバーであるAaron Gustafson氏は、1月21日にMicrosoftのIE 8標準化計画に対する同氏の見解をブログで取り上げている。)
IEチームは12月に、IE 8の初期ビルドがAcid 2標準テストに合格したと発表していたが、同社が開発者やユーザーに対し、標準遵守性を改善したIE 8ビルドをどのように提供する計画かの詳細は明らかにしていなかった。MicrosoftはIE 8の最初のベータ版を今年前半にリリースする計画であると述べている。多くが同社はこのベータ版を2月下旬または3月初旬に公開すると見込んでいる。これは同社の「Mix ‘08」カンファレンスが開催される時期である。
MicrosoftがIE 8を標準準拠性を改善しようとする計画について、読者はどう考えるか?
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ