Microsoftが沈黙を守り続けているWindowsの次世代バージョン「Windows 7」が、バラバラに提供されるかもしれないことを示す兆候が増えている。
この「バラバラに」には、2つの異なる意味がある:
1. Windows Serverスタイルの、役割ベースで提供される。
Windows Server 2008では、ユーザーが何をインストールし、何を無視したいかを選択できるようにしている。これは事前に決定された少数の「役割」に基づいている。「Windows Server Core」は最小限の構成である。Windowsのクライアントとサーバが同じコードベースから構築されていることを踏まえると、クライアントの次期バージョンもまた、どちらかというと役割ベースのシステムに移行すると考えるほうが筋が通っているのではないか?MicrosoftはすでにOEMが「OEM Preinstallation Kit(OPK)」を利用してコンポーネントを取捨選択することができるようにしている。それなら顧客に同じことをさせても良いのではなかろうか?
ユーザーが選択可能な役割ベースのWindowsクライアントにより、Microsoftのマーケティング担当者たちは、「Windows Vista」で法的な窮地に陥れられたような類のSKU選択の必要がなくなるかもしれない。「Windows 7対応(capable)」を構成するのは何かを決定するのはMicrosoftではない。むしろユーザーが自分のシステムにWindows 7をどの程度取り入れたいのか、あるいは切り捨てたいのかを選択するのである。
2. 相補的な「Software+Services」要素に分割される。
ここでもまたMicrosoftはある程度、同社が何を計画しているのかについて伏線を張っている。Windows Vistaについては、MicrosoftはVistaのコンポーネント(例:Window Photo Gallery)を「Windows Live」サービス(Windows Live Photo Gallery)を経由してアップデートするかもしれないことを示している。Microsoftに近い情報筋は最近、「Windows 7から主要な部分が取り除かれる(メール、写真、動画)」が、引き続きユーザーにより選択可能なサービスとして提供されると筆者に伝えていた。この計画がもし実現すれば、Windowsに対する攻撃が緩和されるはずである。これはMicrosoftがWindowsに何もかもバンドルすることに対して批判的な同社の数多くの競争業者や独占禁止法関連規制機関のターゲットとなっていたためだ。
はっきりさせておくが:Microsoftは以上の説のいずれも認めていない。そして疑い深い向きは、特定のテスターに提供された最初のWindows 7の初期テストビルドからは、Windows 7をバラバラな部品の集まりに転じることがMicrosoftの戦略であるなどという兆候はみられないと主張するだろう。
(米司法省に関係する技術委員会(Technical Committee)が口を閉ざしているのは残念だ。技術委員会は最近、法的な懸念となりそうな領域をまず捜査するために、Windows 7の初期ビルドの配達を受けたところである。)
しかしまた、Windows 7のコンポーネント化という筆者のコンセプトは唐突に思いついたわけではないと注記するのも大切だろう。Microsoftは10年前から、Windowsのもつれを解き、Windowsの多様なサブシステムの相互の依存性を緩和するように取り組んできた。これによりWindowsチームは、Windowsのテストや修正、アップデートがあまり複雑にならないようにしようと努めてきたのだ。
そして最後に聞いた話では、MicrosoftがWindowsカーネルの必要最低限のものだけを装備したバージョンである「MinWin」を作成し遂げたこと、そしてこれを同社がWindows 7およびその後継版の核心とする計画であるということを、われわれは知っている。MicrosoftがMinWinをベースとして、ユーザーが選んだサービスやサブシステムをそこに「組み戻す」ことができるようにするというのは実行可能に思える。
読者はMicrosoftが2010年に出荷予定のWindows 7を、ユーザーが選択可能な役割ベースという形式、あるいは統合されていた機能を一部分離させ、それをオプショナルなアドオンサービスとすることで、バラバラで提供することには賛成するか?
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ