この1年の間、Microsoftの幹部は何度となく--かといって、詳細には触れることなく--、「Word」「Excel」「PowerPoint」「OneNote」のウェブ版である「Office Web Apps」は携帯電話に対応すると述べてきた。Office Web Appsのパブリックベータが公開となった現在(11月中旬時点)、Microsoftは多少のプレッシャーとともに、モバイル対応計画を少しずつ公開している。
まず、Microsoftが「Office 2010」の携帯電話対応で約束していることを復習しておこう。Microsoftはずいぶん前から、2つの方法で携帯電話からOffice 2010にアクセスできるようにすると述べてきた。1つ目はOffice Web Apps経由で、2つ目は「Office Mobile 2010」経由だ。Office Mobile 2010は、Officeの携帯電話向けバージョンとなる。Office Web AppsもOffice Mobile 2010も無料でダウンロードできるベータ版を公開中で、誰でも利用できる(11月中旬にパブリックベータとなったOffice Web Appsは企業向けの有料版で、利用に「SharePoint」を必要とするバージョンだ。コンシューマ向けの無料版Office Web Appsとは異なることを付記しておく)。
Microsoftによると、Office Web Appsのパブリックベータ版はモバイルアクセスをサポートしているという。では、どの携帯電話とどのブラウザなのか?以下がそのリストとなる。
- Windows Mobile 5/6/6.1/6.5とInternet Explorer
- iPhone 3G/3GSとSafari 4
- BlackBerry 4.X以上
- Nokia S60
- NetFront 3.4/3.5以上
- Opera Mobile 8.65以上
- Openwave 6.2/7.0以上
Office Web Appsでいう「サポート」とは、対応する携帯電話でWord、Excel、PowerPoint、OneNoteの各ドキュメントの閲覧ができるという意味だ。ドキュメントの新規作成や編集はできない。Microsoftの代表者が11月30日に認めたことだが、これは(パブリックベータである)現在もそうだし、2010年6月までに登場予定の正式版でも同じ方針という。
Office Mobile 2010の場合、Windows Mobile 6.5ベースの携帯電話からWord、Excel、PowerPoint、OneNote、それにSharePointのドキュメントが表示できるのに加え、編集も可能だ。
Microsoftは無料版Office Web Appsスイートを利用する個人ユーザー向けにも、Word、Excel、PowerPoint、OneNoteドキュメントを携帯電話で表示する機能を提供する計画だ。だが、Microsoftの代表者によると、個人ユーザーはSharePointではなく「Windows Live SkyDrive」経由で無料版にアクセスすることになり、現在その対応作業を進めているところだという。無料のOffice Web Appsは、企業向けバージョンの前に提供される予定だ。Microsoftの代表者によると、「Windows Live Wave 4」(正式版になるかベータ版になるかは不明)に合わせ、2010年春頃とのことだ。
携帯電話でOfficeドキュメントを表示するのに、どうしてSharePointが必要なのかと疑問に思う人は、以下のMicrosoftの代表者のコメントを参考のこと。
ウェブブラウザ経由でドキュメントにアクセスするので、「SharePoint Workspace」は不要だ。しかし、バックエンドでSharePointが必要となる。技術的な話になるが、“ドキュメントライブラリ”がどのウェブブラウザとやりとりしているのかを検出し、エンドユーザーがドキュメントを開いた際にドキュメントをOffice Web Appsの“モバイルOffice Web Appビューアモード”でレンダリングされるようにドキュメントを送信する必要があるためだ。「SharePoint Doc Library」は、検出作業を行い、ドキュメントが携帯電話で適切にレンダリングされるようOffice Web Appとウェブブラウザに送る役割を持つ。
Windows Mobile以外の携帯電話のドキュメントビューアではどうなるのだろう?試してみた人がいればぜひ教えて欲しい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ