WikiPediaやMySpace、YouTube、そしてGoogleなどのWeb2.0を代表するインターネットサイトが、新聞や雑誌、テレビなどの既存メディアをしのぐほどの存在感と影響力を持ちはじめている。
わたしたち利用者が発信する情報は、これらのサイトからインターネットを通じてあっという間に世界中に配信されていく。たったひとりの意見から、さまざまな立場の人々の共感の連鎖を呼び、世論に対して非常に大きな影響をおよぼすことも可能だ。
2006年における、米タイム誌の「People of the Year」に選ばれた「You」は、その事実を追認したにすぎない。
Web 2.0に総称されるインターネットの技術や思想は、エンタープライズ領域にも波及しはじめている。このような動きは昨年の夏ごろから「Enterprise 2.0」と呼ばれており、2007年最も注目されているキーワードのひとつである。
マサチューセッツ工科大学のAndrew MacAfee准教授によれば、Enterprise 2.0とは「企業内や企業間、あるいはパートナーや顧客との間で自由にソーシャルソフトウェアプラットフォームを活用する」ということである。
ここでソーシャルソフトウェアとは新しい造語ではなく、あるグループ内におけるコミュニケーションや情報共有を支援するソフトウェアのことを指す。
わたしたちは、自らを取り巻くさまざまな利害関係者との間で、会議や電話、メール等を利用したコミュニケーションを行い、インターネットをはじめさまざまなメディアを通じて情報を収集し、分析、資料の作成、報告など行っている。こうした作業は、特定の組織やチームだけでなく、企業内外のさまざまな利用者との協働作業によって運営される。
このような活動を支援するためには、組織体系やあらかじめ設定されたコミュニティにとらわれない、利用者が自由に協働作業を行うことのできるプラットフォームが必要となる。
たとえばSNSでは、利用者が必要に応じて自由にコミュニティを作り、アメーバのように集合と離散を行うことができる。また、Wikiやソーシャルブックマークでも、タグを共有することで、仮想的にコミュニティを形成し、情報を共有することで協働作業を実現することは可能だ。
これまでのグループウェアなどに代表される従来の情報共有系のソフトウェアとはどうちがうのだろうか。情報やノウハウを蓄積し、これを体系的に整理するコミュニティをあらかじめ個別に用意することで、複数の利用者による協働作業のソフトウェアでの実現を試みてきた。
だが、システム管理者が利用者の要請に従って都度コミュニティを作成する必要のあるグループウェアでは、現実の運用に対応することが難しい。これでは、利用者が必要とするコミュニティカバーできず、情報共有や、協働作業の大部分をソフトウェア上で支援するような仕組みが実現できない。
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