不便を感じながら海外ソフトを使う現実
フューチャーアーキテクトは、2007年1月に経営統合して誕生した会社。母体となった旧フューチャーシステムコンサルティングのITコンサルティングと、旧ウッドランドのパッケージソフト販売が事業の2本柱だ。
顧客層も大きく分かれる。旧フューチャーシステムが売り上げ1000億円以上というような大手上場企業中心であるのに対し、旧ウッドランドは売り上げ100億円以下の中堅・中小企業が中心。さらに、ウッドランドはホールディングカンパニーとしてグループ経営をしていたこともあり、現在でも同社は関連会社として業務支援システムのエルムや会計ERPのワイズウェアやスワン、受託のアセンディアなど、それぞれの事業分野別に多くの企業群を抱えている(2008年1月1日には一部統合の計画)。
「われわれのお客様のうち、大手企業については、SAPやOracleといった一部の例外を除いては、パッケージは必ずしも活用されていませんし、適しているとも考えていないため、コンサルティングという形でビジネスを推進しています。逆に中堅・中小のマーケットは、パッケージ中心の市場と考えています。当社としては中堅・中小から大企業まで、幅広いマーケットを対象にしていることになりますが、ちょうどその中間が空いているわけです。今後は特にこの中堅・中小から大企業の間、売り上げでいえば100億円から1000億円の間を新たなターゲットにしたいと考えています」
こう語るのは同社社長の安延申氏の言葉だ。かつては通産省(現経済産業省)の情報処理振興課長や電子政策課長を務め、国の施策としてIT化を推進した人物。その安延氏は、この100億円から1000億円の間の企業は、日本のITベンダーにとっても今後のターゲットになると見ている。
「この層は、株式に関わるルールや内部統制やJ-SOXなど、社会的な要請もあって、みんな少しずつ不便を感じながらも既存の業務パッケージを使っている、あるいは、少し高いけれども手作りのシステムを構築している……というのが実態だと思います。そこで、こうしたマーケットにはミドルウェアやツール、あるいは『半製品的な業務ソリューション』という切り口から入っていくのがひとつの方法ではないかと思っています」