(前回よりつづく)
「なるほど、Second Lifeでものをつくる秘訣はテクスチャだな」
「そうね、やっぱり1万5000プリムという制限の中でものを作るってことは結構大変ね」
私はしっかりと心にとめた。これはやはりまず設計図が必要になる。必要な機能とメーカーとしてのうちが持つべき付加機能からスペースを決めないと駄目だ。そこから割り当てるプリム数を考えないと。
「あとね、さらに凄いことも教えてもらったわ。マスターすれば、ものづくりのスピードが飛躍的にアップするという、基本的だけれどもすべてに応用できる方法を……」
ものづくりで大切なこと、それはカメラワーク
ものづくりの秘訣はテクスチャにある。それは前回の通りだが、それでは、ものを作るスピードをアップするには何が必要だろうか。それはカメラワークだ。カメラワークといえば、現実の世界ではカメラマンしか必要のないものだが、Second Lifeでは重要な意味を持つ。それは、この3次元空間では、ものを見る方法として仮想カメラを使うからだ。
例えば、図1ではシーネットネットワークスジャパンのSecond Lifeオフィス(Cyber Adventure 118, 30, 31)の入り口にアバターが立っている。このアバターの位置からは、オフィス奥にあるバーや地下にあるホールは見えない。しかし、カメラワークを使えば、入り口から1歩も動かなくてもオフィスの隅々まで見渡すことができるようになる。実際に飛んで、歩いて、上を向いて……のようにしていれば普通に1〜2時間はたってしまう。しかし、カメラワークを使うことによって、数十分ほどですべてを見ることが可能になる。この違いは大きい。
オブジェクト配置におけるカメラワーク
ショッピングなどで壁に並ぶポスターなどを見る場合にも、この基本操作をマスターしていれば重宝する。実際に歩いたり、飛んだりしていてはとても非効率だ。カメラワークを使ってポスターを見ていけば時間を節約できる。同様に、オブジェクト作成においてもカメラワークは頻繁に利用され、実際の制作時間に大きく影響する。例えば、オフィスの受付には5プリムで構成される看板が存在する(図2)。この看板を完成させるまでには、以下の手順が発生する。
- 「CNET NETWORKS」ロゴ部分を作る。
- 「ZDNet」ロゴ部分を作る。
- 「CNET JAPAN」ロゴ部分を作る。
- 「VENTURE VIEW」ロゴ部分を作る。
- 各ロゴ部分を配置する看板本体(茶色部分)を作る。
- 各ロゴ部分を看板本体に配置する。
- 全体をリンク(一体化)する。