(前回よりつづく)
昼休みはとっくに過ぎ去り、また夕方がやってきた。本日の仕事は終え、今は就業時間外だから上司も文句は言わないだろう。
まだ、床か……。私はため息をついた。
しかし、決めた以上、ここで引き返すわけにはいかない。この仮想空間市場はおそらく将来的に大きな市場となるだろう。一刻も早くわが社の支店を作り、ノウハウを構築しなくては……。ここまで、テクスチャの貼り方や操作方法は覚えた。そして、コピーやリンクの仕方も覚えた。基本的なことは、これで一通りできただろう。よしもう一息だ。私は再度気合いを入れた。次はオブジェクトの位置調整か……。
前回の復習
さて、前回は床のテクスチャ構造、テクスチャのリピートと移動、オブジェクトのコピーとリンクを覚えた。どれも基本的だが大切なことばかりだ。まだ床だが、これらをマスターしておけば、全体の作成がスムーズになることは間違いない。
- 床のテクスチャ構造:床の模様は単純な画像がリピートして構成される。
- テクスチャのリピート:リピートさせたいときには「Edit」画面の「Stretch Texture」をオフにする。
- テクスチャの移動:「Edit」画面の「Texture」タブにある「Offset」値を変更する(その時、自分の視線方向に気をつける)。
- オブジェクトのコピー:「Position」モードで「SHIFT」キーを押しながらオブジェクトをX軸、Y軸、Z軸方向にドラッグする。
- オブジェクトのリンク:対象となる複数のオブジェクトを「SHIFT」キーを押しながら選択して、最後に「CTRL」キーとLキーを同時に押す(リンク解除時には、「CTRL」キー、Lキー、「SHIFT」キーを同時に押す)。
ざっと復習したが、覚えていただろうか。実際にSecond Lifeを起動してやってみると簡単だ。さて、今回は上手な位置調整だ。制作スピードは、カメラコントロールでかなりのアップが見込めるが、位置調整がスムーズにできるかにも大きく関係する。
位置調整には方法が2つある。
- グリッドを使う
- 数値で設定する
まずは、グリッドを使う方法を見てみよう。
グリッドでの位置調整
「Position(移動)」モードでオブジェクトを移動する時(第5回参照)、オブジェクトの上下に白い直線が等間隔で表示されていることに気がついただろうか。あまり気にしていない方もいるかもしれないが、実はこれがグリッドだ。