Spryは、ライブラリ単体でみても非常に優れたライブラリであるし、前回紹介した通り非常に簡単なスクリプトで、さまざまな動きを実現することができる。しかし、Spryの最大の魅力は、やはりAdobe Dreamweaver CS3(以下、DWCS3)との組み合わせで発揮される。
2007年 6月に発売された DWCS3は、まだ「Labs」での公開段階であるSpryという発展途上の技術を、ソフトウェアに組み込んで販売するという思い切ったことをしている。これ自体は、既にSpryが開発されている段階から噂されていたことではあるが、筆者は実際に触ってみて、組み込みの完成度に驚愕した。ソフトウェアと一体化していて、とてつもなく便利になっていたのだ。
それでは、実際にDWCS3を使ったSpryの実装を紹介していこう。
エフェクトをかける
前回、Effecsオブジェクトを使って、エフェクトをかけるというスクリプトを紹介した。これを、DWCS3で実際に実装してみたい。
まずは、DWCS3を起動して新しいファイルを作成する。そして、[挿入][レイアウトオブジェクト][Divタグ]とメニューをたどって、
次に、「ビヘイビア」パネルを利用するので、もし表示されていない場合は[ウィンドウ][ビヘイビア]メニューをたどって表示させておこう。(図1-2)
上部の図のように表示して[OK]ボタンをクリックすれば、設定完了だ。このファイルを保存しよう。保存しようとすると、図1-4のような警告が表示されるので、[OK]ボタンをクリックしよう。これで完成だ。ファイルをWebブラウザに表示させ、
ここまで、全くコードを記述することなく出来上がってしまった。その上、Spryをダウンロードする必要もなく、コピーしたり組み込む必要もない。DWCS3にあらかじめSpryのファイルが同梱されており、その都度必要なファイルだけをコピーしてくれる仕組みなのだ。
念のためコードを確認しておこう。次のようなコードが自動生成される。
MM_から始まる独特なファンクション名がつけられているが、実際の動作は前回のスクリプトの通り、Spryの標準メソッドである「DoFade」が使われていることがわかる。ちなみに「MM_」はDreamweaverの元々の開発元である「Macromedia」の頭文字をとった名前で、 Dreamweaverではよく使われるキーワードだ。
このように、Webデザイナであれば、全くSpryの存在を意識することなく、高度なエフェクトを簡単に実装することができる。しかも、クロスブラウザなスクリプトであることが保証され、プログラマはコードを自由に編集することができる。
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