あなたの考え方が、進展を妨げているのではないだろうか。これは個人にとっても大きな問題だが、もしあなたがIT部門の責任者であれば、さらに深刻な問題だと言える。最高情報責任者(CIO)やITディレクターとして、会社の技術や人間を導いていく立場にある人間に対しては、持っている地図が最新のものであり、コンパスが壊れておらず、目的地にもっとも効率的に到着する方法を知っていることが望まれている。
私は、コンサルタントとして多くの組織や人を見ている。そして、IT部門のリーダーが誤った考えさえ持っていなければ、その部門は楽に成功できるのではないかと感じてしまうことがよくある。この記事では、そんな組織を制約する考え方のコレクションを紹介する。このリストでは5つを紹介したが、他にも20くらいは簡単に追加することができただろう。実際、次に掲載する記事ではさらにいくつかを紹介するかも知れない。
あなたの組織は、以下で挙げるような病気にかかっていないだろうか?
1.企業は自らの技術ニーズを知っているべきだ
次のことをよく考えてみるといい。ボルトの締め方を知っている人間と、どのボルトを締めるべきかを知っている人間のどちらにより高い価値があるだろうか。われわれは知識経済の中におり、何をすべきかを知っている方が、指示に従えることよりも価値が高いことを知っている。
もし、あなたが技術ニーズを知っていることは企業の義務だと考えているのであれば、それは間違いだ。企業が知っているべきなのはビジネス上の問題や機会、優先順位であり、それを技術的な観点からそれを解決する方法を見つけなくてはならないのは、あなたとあなたのチームなのだ。(もしあなたが事業の内容と戦略について深く理解することができれば、自分の地位を高めることもできるかも知れないが、それはまた別の話だ)。技術を専門としているのはあなたとあなたの部門であり、最高財務責任者(CFO)や営業部門の責任者ではない。もしあなたの部門の存在意義が、単に企業が選択した技術を実装し、保守することだけであれば、あなたの役割はボルトを締める人間と同じになってしまう。この罠にはまったIT部門は、アウトソースされてしまうだろう。
2. われわれは変化の速い組織だ
私は、変化が速いという言葉が聞かれない環境をまだ知らない。私はもはや、その言葉の意味さえよく分からない。しかし重要なのは、その考え方が組織内にどのような影響を与えるかだ。あなたは途方もなく忙しいはずだとしばらく言われ続ければ、きっとそうに違いないと信じ始める可能性が高いし、そうなれば能力の器は小さくなり始めるだろう。もし考える時間もないのだと言われ続ければ、計画と実行のために十分な時間がある場合でも、スピードのために判断の質を犠牲にし始めるだろう。その結果、組織のプロジェクト失敗率は高くなり、火消しに追われ、戦略的に考え、本当に重要な仕事を見分けるためには「忙しすぎる」ということになる。
優先順位を正しく付けることができれば、大事なことをするのに時間が足りないということはあり得ないのだ。