批評家たちはいつも、オープンソースにはビジネスモデルが欠けていると主張する。
(ゲームショー「Let's Make a Deal」がテレビに帰ってきた。放映はCBSネットワークだ。オリジナルシリーズでMonty Hall氏が務めた司会進行は、Wayne Brady氏が務めることになる。こういった「メディアミックス」というプロモーション手法は、古くからある素晴らしいビジネスモデルの一種ではないだろうか?)
しかし実際のところ、プロプライエタリなソフトウェアの方が、ビジネスモデルに対するイマジネーションに欠けているのである。そのことは、主なビジネスモデルが以下の1つしかないことを見ても分かるだろう。
#1:EULAウェア(使用許諾契約の締結によって権利が与えられるソフトウェア)
「まずは代金を支払ってほしい」「払ったのであれば、とっとと帰ってほしい」「うまく動作しないって?そんなことを言いに来ないでくれ」「返品するから代金を返せって?使用許諾契約書を読んで、とっとと帰ってくれ」「ソフトウェアを試用したいって?そんなことを言う奴は、帰った、帰った」
このモデルの良いところは、そのシンプルさにある。ユーザーから代金を受け取った後は、彼らに対して何の義務も負うことがない。しかし、このモデルにはある種の「言葉にできない何か」が欠けているのだ。どういうことだか分からないって?きっとあなたはプロプライエタリなソフトウェアを販売している会社に勤めているに違いない(さぁ、帰った、帰った)。
ユーザーに代金を支払わせ、さっさと立ち去るというビジネスモデルは、驚くほど長い間通用してきた。通用するはずのないようなやり方であるにもかかわらずだ。ある意味、窃盗に通じる部分もある。しかし、ソフトウェアは不思議なものであり、EULAウェアは長い間、唯一のビジネスモデルだったのである。
一方、オープンソース企業は、想像力を働かせる必要がある。彼らはユーザーにEULAウェアを押し付けることができないため、以下に挙げるような方法で収益を上げなければならないのだ。
#1:サポートウェア
「料金を支払えば、該当ソフトウェアのサポートを受けることができます」「質問にも回答します。あるいは回答に向けて努力します」「連絡手段は電話でもウェブでも構いません。料金を十分支払ってもらえれば、出張対応も行います」--このビジネスモデルは、Red Hatのお気に入りである。
#2:プロダクトウェア
「ソフトウェアは無償ですが、該当ソフトウェアの稼働するハードウェアを購入することになります」--Androidを搭載した携帯電話がこのモデルを採用している。また、一部のネットワークルータもこのモデルを採用している。このモデルは広く採用されてはいないものの、その普及スピードは速い。
#3:クラウドウェア
「ソフトウェアは今やクラウドの中にあります」「行う内容に応じて料金を支払ってください」--コストは雲(クラウド)に吸い込まれていく。そして、請求書を受け取った段階で涙の雨にむせぶこともある。
#4:プロジェクトウェア
「何かを行う必要があるんですって?それではオープンソースソフトウェアを用いて開発しましょう。料金は製品単位あるいはプロジェクト単位で支払ってください」--このビジネスモデルはIBMが多用している。
#5:SaaSウェア
「われわれのソフトウェアはSaaSの持つ旨みを十分に引き出しています。こういったソフトウェアは、時間単位や月単位、ユーザー単位で賃借することができます」--このビジネスモデルは現在、非常に人気が高く、Zoho(関連英文記事)をはじめとする数多くの企業で採用されている。