システムが起動しないという状況に陥った場合、信頼できる堅牢な復旧ツールが必要となる。本記事では、こういった窮地からあなたを救ってくれるLinuxツールを紹介する。
筆者のコンサルティング会社には最近、Linuxの復旧ツールの助けを必要とするような問題が立て続けに持ち込まれてきている。パーティションテーブルが破損したマシンから、ウイルスの感染により重篤な状態に陥ったマシンに至るまで、ホストシステムが起動しないという状況ではLinuxツールが重宝する。とは言うものの、利用可能なツールの数があまりにも多いため、出来の悪いものを避け、有用なものを見つけ出すことが難しく感じられる場合もあるだろう。そこで本記事では、優れたツールをいくつか紹介することにした。これらの中には、読者の方が自分の道具箱に入れておきたいと思えるようなものもあるはずだ。
#1:Knoppix
Knoppixは、調子の悪くなったマシンからデータを救い出すという作業に適したツールの1つである。Knoppixは成熟したLinuxライブディストリビューションであり、強力かつユーザーフレンドリーなGUIを備えているため、容易にドライブをマウントし、データを外部のストレージへとコピーすることができる(使い勝手の良いファイルマネージャも搭載されている)。もちろん、KnoppixではLinuxコマンドのすべてが利用できるため、あなたが使う必要のあるものはすべて、いつでも使える状態になっている。
#2:Trinity Rescue Kit
Trinity Rescue Kit(TRK)を使ったことがあるのであれば、「このツールの開発がもっと大々的に、かつ迅速に行われないのはなぜだろうか?」という疑問を抱いているかもしれない。TRKの開発ペースはゆっくりしているものの、提供されている機能は出色の出来と言える。TRKをUSBドライブに格納し、ウイルスにやられたマシンを起動すれば、マウントされているドライブをClam AntiVirus(ClamAV)やAntiVir、BitDefenderなどでスキャンすることができる。ただし、このツールはすべてがコマンドラインベースとなっているため、使いこなすにはコマンドのスキルを磨く必要があるかもしれない。
#3:Avira AntiVir
Avira AntiVirのコマンドライン版は高速かつ堅牢なウイルス対策ツールであり、信頼性も高い。AntiVirにはGUI版もあるものの、インストールする手間をかけるほどの価値はないだろう(また、その実行にはJavaのランタイム環境が必要となる)。AntiVirをLinuxにインストールする作業は簡単とは言い難いものの、カーネルのコンパイルとは違っているのである。