正しいLinuxディストリビューションを選ぶための5つのヒント

文:Jack Wallen(Special to TechRepublic) 翻訳校正:石橋啓一郎

2011-01-19 08:00

 Linuxを新しく使い始める人に対して、わたしはこれまで何度も、正しいディストリビューションを選択することの重要性を強調してきた。別のOSから移行しようとするときには、自分のニーズに合ったディストリビューションを選ぶことは、成功へのもっとも重要な鍵だ。しかし、非常に多くの種類のLinuxがある中から、どうやって正しいものを選べばいいのだろうか。実は、この判断をする際に、自問自答してみるべき、いくつかの鍵となる質問がある。わたしはこの10年以上、未来のLinuxユーザーを助け、成功に導くことをゴールにしてきた。次の5つのヒントがその役に立つか、ぜひ読んで確かめて欲しい。

1.Linuxで何をするつもりかを決める

 これは最初の段階で成功するために必要不可欠な質問だ。Linuxディストリビューションの中には、特定のニーズに向けて作られたものがある。LinuxをサーバOSとして使いたいのか?あるいはデスクトップOSか、ルータか、それともファイアウォールだろうか。Linuxに何をさせたいかという質問に答えられれば、ゴールまで半分以上は来ている。もしこの質問に答えておかなければ、サーバ環境に合わせて作られたディストリビューション(例えばCentOS)をインストールしておきながら、なぜこんなにひどいデスクトップ環境にしているのだろうと不思議に思うかも知れない。同様に、Ubuntuのデスクトップ用ディストリビューションをサーバに使おうとしても、常に不満を感じることになるだろう。

2.安定性か最先端のどちらが重要かを選ぶ

 これは明白に別れるところで、すべての新人ユーザーが注意を払っておくべき問題だ。Linuxを初めて使うユーザーが、Fedoraのようなディストリビューションを選べば、不満を感じるだろう。いくら洗練され、安定しているように見えても、Fedoraは最先端を指向している。Fedoraは兄貴分にあたるRed Hat Enterprise Linux(RHEL)のテストベッドディストリビューションとして使われており、常に最新リリースにアップデートされている。このため、ユーザーには問題に対処する必要が出てくる。Fedoraの場合、インストールしたばかりの状態でさえ、あちこちで問題が生じている場合もある。

3.どんなデスクトップが好みかを検討する

 ディストリビューションによるGNOME 3やUnityへの移行が始まっている現在では、この問題は小さくなりつつあるが、これは依然としてLinuxの新しいユーザーが成功するかどうかの大きな要因の1つだ。Linuxはすべて選択次第だし、デスクトップに関しては無限の選択肢があるように見える。GNOMEを始めとして、KDEやEnlightenment、CDE、XFCE、Afterstep、Fluxboxなど、さまざまなデスクトップがある。そして、それぞれのデスクトップに、長所と短所がある。OS Xのデスクトップが好きな人は、GNOMEも好きになれるだろう。Windowsのデスクトップが好きならば、KDEの方が好みかも知れない。何か違うものが使ってみたいというなら、Linuxデスクトップの世界があなたを待っている。しかしその際、ディストリビューションを注意深く選ぶ必要がある。自分が使いたいデスクトップが含まれているISOファイルをダウンロードすべきだ。もしUbuntuを選ぼうとしているのなら、もうすぐデスクトップが(まったく異なるものである)Unityに変更されることを知っておくべきであり、Ubuntuの代わりにKubuntu(デスクトップ環境にKDEを使用)やXubuntu(XFCE)を選ぶこともできる。

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