「G-Archiver」と呼ばれるアプリケーションは、ハードディスクにGmailアカウントのバックアップを取るものだが、あまり嬉しくない機能も1つついている。ユーザー名とパスワードをくすねるのだ。
Coding HorrorのJeff Atwood氏は、彼の読者の1人であるDustin Brooks氏が語った背筋が寒くなる話の概要を説明している。
私は自分のGmailアカウントをローカルのハードディスクにバックアップする方法を探していた。私は、あまり失いたくない、重要な情報を大量にため込んでいた。検索をしていて、私はG-Archiverに行き当たり、一度試してみようと考えた。
それは私が本当に探していた機能を持っていなかったのだが、私自身がプログラマーだったので、Reflectorを使ってソースコードを覗いてみた。私がそこで見たものは非常に衝撃的なものだった。作成者であるらしいJohn Terry氏は、自分のgmailアカウントのユーザー名とパスワードをソースコードの中にハードコーディングしていたのだ。これもお世辞にも賢いこととは言えないことだが、それに続いて私は、ユーザーが自分のデータをバックアップするために自分のアカウント情報を入力すると、そのプログラムは入力したユーザー名とパスワードをTerry氏の個人的なメールボックスに送っていたのに気づいた。私も自分の情報を入力した直後だったので、私はとても心配になった。
私はブラウザを開き、Terry氏のアカウント情報を使ってgmailにログインしてみた。そのアカウントはまだ有効だった。
Atwood氏はTerry氏の倫理とプログラマーも倫理を必要とするという話に焦点を絞っている。Marshall Kirkpatrick氏はReadWriteWebで、この話はわれわれが認証に関する標準を必要とする理由を示すものだと述べている。
私は別の結論に至った。世に出ている多くのソフトウェアを単純に信じるわけにはいかないということだ。本当に信用できるアプリケーションとは何か?このG-Archiverは非常に便利なものに見えたが、まったくそうではなかった。
しかし、Atwood氏の話で本当に心配なのは、コードを知っている人でも打撃を被ることがあるということだ。私なら、このアプリケーションが自分の名前とパスワードをハイジャックしているとは分からなかっただろう。多くの人は分からないに違いない。
これらを総合すると、1つの結論に至らざるを得ない。聞いたことのない企業のソフトウェアを信用してはならないのだ。問題は、これらの事件が本物のソフトウェア企業に大きな萎縮効果を与えていたかも知れないということだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ