「市場は対話である」--「クルートレイン宣言」(The Cluetrain Manifesto)は、この一文から始まる。
Rick Levine、 Christopher Locke、 Doc Searls、David Weinbergerの4氏が、インターネット経済でのビジネスに関するこの95カ条のテーゼを発表したのは、1999年4月のことだ。あれから10年、いまやインターネットは、リアルタイムな「対話」の時代を迎えている。
情報を爆発させるリアルタイムなソーシャルメディア
Twitterをはじめとする「オープン」で「ソーシャル」、そして「リアルタイム」なウェブサービスが普及し、iPhoneの好調な伸びや、Android搭載スマートフォンの登場を引き金に世界規模で利用者が急増した。
日本においては2009年6月以降、その数は250万人を超えたと言われている。また、これらソーシャルメディアの特長としては、リアルタイム検索などの実現によって蓄積型からリアルタイム型の情報検索が可能になったことだ。個々のつぶやきが固有のURLを持ち、検索対象になることで、これまでとは比較にならない、「爆発」に例えられるほどの勢いで情報量が急増している。
世界的に拡大し、大きな影響力を持ち始めたソーシャルメディアビジネスを活用する動きはすでにコンシューマーマーケティングの領域で始まっている。一方で、「オープン」「ソーシャル」「リアルタイム」という性質は、一つのキーワード群として、さまざまな領域で2010年の企業活動に大きな影響を及ぼすだろうともいわれている。