クラウドコンピューティングプロバイダーはマーケティング面で困難な課題を抱えている、というのが筆者の意見だ。考えてみてほしい。プロバイダーは、提供しているサービスモデルや導入モデルがどのようなものであれ、できるだけ多くの顧客の「コモディティ」を求めるニーズに応えつつ、自社のサービスを差別化する必要がある。こうしたプロバイダー各社は、最小公倍数的なサービス機能を提供することと、顧客を意図的に囲い込んでいると非難されることの間で、板挟みになっているように思える。
顧客の立場から見ると、「サーバやストレージを探す」とき、Linuxまたは「Windows」を搭載し、ファイルを保存するという本質的に同じ特徴を持つ多くのサービスの中から1つを選択することも同様に困難なことだ。顧客は何を基準に選べばよいのだろうか。また、クラウドプロバイダーが顧客の目に見える形で差別化を図るには、どうすればよいのだろうか。
ここでは、クラウドコンピューティングにおいて競合他社との差別化を図るべき5つの重要項目を紹介する。ここで挙げるものがすべてというわけではないし、筆者もすべてのベンダーがこの問題を同じ観点から検討しているとは考えていない。しかし、クラウドサービスの導入を検討している人は、それがSaaSであれ、PaaSであれ、IaaSであれ、サービスを評価するにあたって、まずはこの5つの要素を検討すべきだと思う。また、これらのサービスを販売している人は、次回、要件に関する書類を作成するとき、このリストを概略として使ってほしい。
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