Fast Search & Transferは、2月18日から20日までの3日間、米フロリダ州にて「FASTforward '08」を開催した。Microsoftが1月に同社に対し買収を提案したこともあり、エンタープライズサーチ市場への注目度がより高まっている。同イベントにて、FastのCEOを務めるJohn Markus Lervik氏が日本からのメディアのインタビューに応じ、今回の買収の詳細や、同氏がサーチ市場をどう見ているのかを語った。
--Microsoftの買収で、FastとMicrosoftの関係はどうなるのか。
Fast Search & TransferのCEO、John Markus Lervik氏FastはMicrosoftの完全子会社となる。製品としては、Fastのエンタープライズサーチ製品がMicrosoftの製品ラインに加わることになる。現在は、Microsoftがローエンドのサーチプラットフォームを提供し、Fastがハイエンドのサーチプラットフォームを提供しているが、Microsoftのサーチプラットフォームが徐々にFastの製品とリプレースすることになるだろう。
これまでFastがローエンドに手を出さなかったのは、ローエンド市場に到達する体力がなかったためだ。Microsoftの一部になれば体力的な問題はなくなるため、Fastの技術でローエンドまで十分カバーできることになる。
--Microsoftの一部となることで、パートナー企業への影響はないのか。
幸い、われわれのパートナーはMicrosoftのパートナーとなっている企業が多い。日立製作所やウチダスペクトラムなどもいい例だ。EMCは、Documentum部門でSharePointと競合しているが、同時にMicrosoftと強固なパートナーシップも結んでいる。つまり、買収されたからといってパートナー関係に大きな影響が出ることはないと見ている。
--MicrosoftはFastに買収提案を行ったあと、Yahooの買収にも動き出した。Yahoo買収に対する意見を聞きたい。
面白い動きだと思っている。Microsoftはユーザー数においてGoogleに大きく水をあけられている。Yahooを買収すれば、ユーザー数やPVなどが大幅に増加するため、MicrosoftにとってYahooは非常に魅力的だろう。
--Microsoftが提供しているLive Searchをどう見ているか。
コンシューマー向けのサーチについては、技術そのものよりもユーザーの概念が重要になってくる。多くのユーザーがGoogleを利用しているのは、「Googleがいい」という概念が定着しているからだ。MicrosoftがGoogleに勝てないのは、技術そのものよりもユーザーのこうした概念から来ている。
Microsoftはサーチの企業というよりソフトウェア企業として知られており、コンシューマー指向の企業ではない。ソフトウェア製品を開発するスキルとコンシューマーサービスを提供するスキルは若干違うのではないか。その点がMicrosoftの課題なのだと思う。
--将来的にLive SearchがFastと統合されることはあるのか。
Microsoftの幹部はその点にも興味を示していたので、可能性はある。ただし、Fastの主なフォーカスは今後もエンタープライズ市場であることに変わりはない。もちろん、Fastの顧客の中にはLiveのようなサービスを提供している企業もいるが、われわれの役目はそういった企業をプラットフォーム面で手助けすることだ。
--MicrosoftはSaaSにもフォーカスしようとしているが、サーチもSaaS形式で提供することになるのか。
すでにFastではサーチ技術をSaaS形式で提供している。IBM.comなどはいい例だ。今後もFastでは、すべてのサーチアプリケーションをサービスで提供するつもりだ。MicrosoftもSharePointをサービスモデルで提供しようとしている。
--Microsoftに買収されることでFastにとっての一番のメリットは何か。
われわれのビジョンが実現可能となることだ。大企業の一部になることで、官僚的な部分は出てくるかもしれないが、市場到達力やブランド力は十分利用できることになる。
イノベーションと情熱を持ってすれば、サーチの世界を独占できるだろう。Microsoftでは「独占」という言葉は禁句になっているが、われわれはまだ外部の人間だから、今はこの言葉を使わせてもらうよ。
関連情報
-
MSとファストのM&A、新会社は「Microfast」!?--買収提案の裏話を明かすMS
MicrosoftがFast Search & Transferに対して買収提案した理由を、Microsoftの幹部が裏話と共に語った。 - ファストサーチCEO、マイクロソフトによる買収提案の背景を説明
- マイクロソフトの買収企業統合力は?--実績から検証
- マイクロソフトのFast買収:ウェブサーチ分野でも協力する模様
- マイクロソフト、ファストに12億ドルで買収提案
- Fast Search & Transfer
- Microsoft
- ファストサーチ&トランスファ
- マイクロソフト
「業界動向」 の新着情報
-
ノーテルのメトロイーサネット事業、Cienaが買収へ
ノーテルネットワークスのメトロイーサネット部門が売りに出され、通信機器メーカーのCienaが買収権を落札した。買収額は現金... - 「ビジネスチャンスではなく義務」--IFRS対応支援を拡充するディーバの取り組み
- 欧州委員会、オラクルによるサン買収の調査期間を延期
- ヒューレット・パッカード、第4四半期決算を発表--売上高は308億ドル
- グーグル、 Teracentの買収を発表--ディスプレイ広告事業を強化へ
- 業界動向 一覧へ »
「インタビュー」 のバックナンバー
-
EMC幹部、自社システムのクラウド化に向けた戦略と課題を語る
EMCのビジネスCIOを務めるMichael Montoya氏が、同社システムのクラウド化に向けて進めている戦略と、クラウド環境を構築する製品群、そしてクラウド実現のための課題を語った。 -
Google Mapsで紛失パソコンを表示、国境越えて回収--Absoluteの新サービス
-
Linux躍進の背景にある3つのトレンド--Linux Foundation幹部が語る
-
環境や社会的責任への配慮は企業価値を高める--SAPのサステナビリティ戦略
-
景気低迷の今だからこそムダのないIT環境の実現が不可欠:CA
- インタビュー 一覧へ »
-
日本モバイルインターネット端末市場分析 〜2008〜2012年のMID及びスマートフォン...
- POSデータを活用し、売上アップを導く「分析力」とは?
- BIベンダーの選び方 −BIベンダー選定のための評価フレームワーク
- 【導入事例集】多業種から評価されているWeb会議システム、24社の導入事例をご紹介
- CRMの限界を超える!「顧客経験価値マネジメント」実現の5段階
- 企業コスト削減の傾向と対策 〜最新アプローチのトレンド〜
- 【日産自動車:BI導入事例】連結対象の36社からの情報を元に車種別損益管理を実現
- ストレージ問題の課題に対する解決方法
- iPhoneをビジネスで活用する時代へ〜ビジネス&モバイルのミライ〜
- 中堅企業におけるテクノロジーと成長
企画特集
-
―エン・ジャパン厳選求人☆毎週更新―
ハンゲームの社長が語る・人材とサービスの在り方 -
100万円で実現!中小企業の情報漏えい対策
中小企業の課題!?セキュリティ管理者不在でも大丈夫 -
電力に"ふた"をする独自の省エネ機能とは!?
動的に電力割り当ても可能なHPの最新鋭ブレードに迫る -
高まるiSCSIストレージへの注目度
ストレージシステムの4つの課題とiSCSI導入のメリット -
【最終警告】パンデミック対策特集
サービス品質を保証するためのリスクマネジメントとは -
マネジメントの「コラム」と「コネタ」
今日のキーパーソンは誰? -
企業ITシステムの企画、構築、運用のイロハ
戦略的なITシステムのために、今考えるべきポイント -
大丈夫?あなたの会社のセキュリティ対策
中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティを考える -
グリー、3人のエンジニアが語る仕事への想い
連載第2話、元SIerに聞くリニューアルと開発の舞台裏 -
容量制限によるメール消去は一切無し!
全てを保存するメールセキュリティSaaSが登場 -
J-SOX法制定により内部統制の整備が急務に
重要性高まるActive Directoryの課題と対処法を公開中 -
急増するオンライン犯罪への解決策!
オンラインサービス保護ソリューション
-
7. ホットスポットと同時並列性分析について
この3分間のビデオは、Intel Parallel Studioの一部であり、アプリケー... -
8. Valarray
この5分間のビデオでは、Intelコンパイラの1次元Valarrayデータ構造に対...
新着企業動向
-
アズジェント、ブルーコートシステムズ社とディストリビュータ契約を締結
アズジェント -
Oracle Performance Tuning Tips 10 〜 性能改善作業を楽々に、より効果的に 〜
日本エクセム -
「知って楽しむオトナのたしなみ」出張アテンダント編を公開しました!読者プレゼント企画も...
日立システムアンドサービス -
WisePoint
ファルコンシステムコンサルティング - 企業動向一覧へ»
