Linux躍進の背景にある3つのトレンド--Linux Foundation幹部が語る

富永恭子(ロビンソン)

2009-10-12 01:08

Microsoftに対抗できる実力を備えたLinux

 「これまでLinuxを脅威としてきたMicrosoftは、今年になって自らGPLv2のラインセンスでコードをリリースした。これは、現在、そして将来においても、ソフト開発を進める上でLinuxの存在意義を実質的に認めたことを意味する」

 2009年9月21日、米国オレゴン州ポートランドで開催された「LinuxCon 2009」の初日、Linux Foundationでエグゼクティブディレクターを務めるJim Zemlin氏は、ウェルカムキーノートで、ソフトウェア開発におけるLinuxのポジション確立を強調した。

 現在、コンシューマ向け電子機器や組み込み機器、スーパーコンピュータに至るまで、さまざまな領域でLinuxの活用は広がっている。Zemlin氏は、「いまやLinuxはMicrosoftにも対抗できるだけの実力を持つOSに成長した。もはや、その普及のスピードと領域は、作者であるLinus Torvalds氏自身にもその実態は把握しきれないほどだ」という。

Linux躍進の背景にある世界的トレンドとは

Jim Zemlin氏 Jim Zemlin氏

 LinuxCon 2009に先立ち来日した際、Zemlin氏は「Linuxが使われる理由」として3つのトレンドを説明している。

 その1つが「経済の動向」だ。

 「世界的経済の低迷の中で、企業はコスト削減を余儀なくされている。そのため今、オープンソース、オープンテクノロジーによる製品開発とビジネスモデルは、コンピュータ業界だけでなく様々な分野、非営利組織、営利企業、国や自治体の議会、行政機関の連携により普及が進行している」と、Zemlin氏は述べる。

 続けて「それとともに、クローズドソース、プロプライエタリなソフトウェアやテクノロジーによる製品開発とビジネスモデルから、オープンソース、オープンテクノロジーによる開発とモデルへの変革と転換が進行中」であることを強調した。

 2つ目としてZemlin氏は「コンバージェンス」現象をあげた。コンバージェンス現象とは、デバイスの統合を意味する。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]