ドリームボートが開発するP2P型コンテンツ配信プラットフォーム「SkeedCast 2」には、ファイル共有ソフト「Winny」で知られる金子勇氏が開発に参加しており、氏による新たな技術も投入されている。
2009年11月には特許も取得しており、よりセキュリティに配慮したプラットフォームになっているという。今回、そのSkeedCast 2について、ドリームボートに話を聞いた。
やんちゃ坊主のWinnyを優等生に
SkeedCast 2は、P2P技術で大容量のコンテンツを配信するためのASP型配信プラットフォーム。大容量データを高速に配信し、DRM(デジタル著作権管理)や課金システムなどを備え、セキュアに配信できるようにしている。
今回新たに取得された特許はセキュリティに関する部分で、デジタル署名と鍵認証システムを応用した技術。ドリームボート取締役の壇俊光弁護士によると、「SkeedCast 2の基本メカニズムであり、根本的な技術の特許」だという。
SkeedCastは、最初のコードこそ金子氏のWinnyがベースとなっていたが、「応用が利かないものだった」(金子氏)ため、SkeedCast 2ではモジュール化を進め、汎用性が高くなるように一から開発し直したという。
当初は動画配信を中心としていたが、ニーズの拡大に従ってゲームや写真などのデータ配信にも使えるように工夫を入れている。特に強化されたのが、コンテンツを配信する際に、コンテンツプロバイダー(CP)自身がコンテンツを配信できるようにした点だ。
従来のSkeedCastは、ドリームボート自体がコンテンツを配信することになっていたが、SkeedCast 2では管理権限を委譲できるようにし、それによってCPが直接コンテンツを配信できるようになった。
「SkeedCastはWinnyをベースにしていたが、商用向きのシステムとして工夫をして、使われている技術を見直した」(壇弁護士)のがSkeedCast 2の特徴。Winny自体は「冷静に(コードを)見ると“使える”部分が多かったので、そこを改良し、“やんちゃ坊主”(Winny)を“優等生”(SkeedCast)にしようとした」(同)そうだ。