2010年はITの「事業仕分け」を--エリック松永が提言するITのあり方

エリック松永

2009-12-31 22:12

苦しい経営環境のなか、クラウド一色の2009年

 リーマンショックの余波を受けながら暗く幕を開けた2009年。日本経済は4月頃から若干の前期比プラスに転じたものの、回復の兆しが見えているとは言いがたい状況です。低迷する個人消費、米国の不況の影響をもろに受けた厳しい輸出環境に加え、民主党政権の失速など、残念ながら波乱ずくめの2010年になりそうな予感は否めません。

 一方、エンタープライズITに目をむけてみれば、どなたも異論はないとは思いますが「クラウドコンピューティング」一色の1年だったと言えるでしょう。

 日本企業は、頼りにならなくなった米国市場と国内市場から打って出るために、企業戦略、ひいては企業価値そのものの見直しを迫られています。企業内のITもまた、重要な経営資源として見直しが図られる厳しい状況に至っています。

 ITは今や単なる業務効率化の付加的ツールではなく、企業が活動するための心臓部です。業種によってはITがサービスそのものの価値を左右するケースも増えています。「うちはITの会社じゃない」などと言っている場合ではないのです。

「クラウドコンピューティの幻想」に翻弄された悪夢の年

 例えば米国における音楽ビジネスはAppleのiTunesが25%ものシェアを獲得しており、ウォールマート(14%)を大きく引き離しているのが現状。ITにより新たな市場が創出されていることは無視できない事実なのです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]