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ZDNet Japan ソリューションフォーラム 2006 特集

マイクロソフト株式会社

今後のIT投資の主役になる「ナレッジワーカー・インフラ」とは

神永裕人(イエローリポーツ)
2006/12/01 10:00

関連製品では周辺機能の統合化や新たな付加機能追加が進む

 具体的にナレッジワーカー・インフラを構築していく際には、コミュニケーションや共通ファイリング、コンテンツ管理、有益な情報を発見するための検索など、さまざまな機能を提供するソフトウェア製品を組み合わせる必要がある。そこで上村氏は、エンタープライズ・コンテンツ管理(ECM)、グループウェア、エンタープライズ・サーチといった、ナレッジワーカー・インフラの最も基本となる3つの製品分野の動向に話題を移した。

株式会社アイ・ティ・アールシニア・アナリスト上村陽子氏

 まずECM分野では、従来から提供されてきたコンテンツの取り込みから保存、再利用までの機能に加え、製品群としてコンテンツ管理の周辺の機能も統合して提供するものが増えていること。一方、グループウェア分野ではコラボレーション機能が徐々に統合されつつあり、コラボレーション・プラットフォーム製品へと進化していると上村氏は述べた。そして「将来的にECMとグループウェアは、究極のナレッジワーカー・インフラである『インフォメーション・ワークプレイス』製品となっていくだろう」という。

 また今回のフォーラムのテーマでもあるエンタープライズ・サーチの分野では、誰でも容易に利用できるという観点から、ユーザー・インタフェースの改善や、社内ブログとの連携、メタ情報の活用といった付加価値機能の追加などがなされるようになってきていことを紹介。さらに、特定の業務に絞り込んであらかじめ分類体系を製品側で用意している、業種特化型の製品も最近登場してきたと述べた。

 ただし、営業や研究開発、営業など業種ごとのに検索ニーズが大きく異なるため、検索結果に対する満足度は必ずしも高くないというデータもあるようだ。こうした課題に対し、「ユーザー側でもコンテンツ管理のルールを決めて、着実に運用するというコントロールを行うことが検索結果の質の向上につながる面もある」と上村氏は指摘する。

情報を引き出すだけでなく、きちんと使いこなしてこそ価値になる

 講演のまとめとして上村氏は、ナレッジワーカーの生産性を向上に寄与するナレッジワーカー・インフラを構築するために必要な方策を紹介した。その方向は4つある。

 1つ目は、「プロセスを『見える化』する」こと。つまり、バラバラに取り組みを始めるのではなく、まず業務プロセスの標準化から進めていくことが大切であるということだ。2つ目は、人材の流動化が激しい中では始めての人でもすぐに使えるよう「直感的な操作性を優先する」こと。第3に、コンテンツの利用頻度やコメント、利用者などの付加情報(メタ情報)を新しいナレッジとして利用する「コンテンツの付加情報を活用する」こと。そして最後に、ツールの機能を最大限に活かせるようファイル命名ルールや分類ルールをユーザーが徹底する「コンテンツをコントロールすることで、探しやすい環境をつくる」こと。

 この4つを着実に実行していくことが使いやすいナレッジワーカー・インフラを構築するための近道になるようだ。

 最後に、「効率化を目指した取り組みの結果、従業員がPCの前に張り付いているだけで仕事をしている気になってしまっている」というある経営者からの話を例に、「こうならない工夫も考えていってほしい」と上村氏は講演を締めくくった。

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