グーグルは4月12日、企業向け検索アプライアンス「Google Mini」の新バージョンを発表した。世界に先駆け日本で同日より先行発売する。
グーグルは日本にて、50万以上のドキュメントが検索できる「Google検索アプライアンス」を2005年4月に発表したが、Google Miniを市場投入するのは今回が初めてだ。最新バージョンは、日本市場を考慮して既存のMini以上に小さな筐体が採用されている。既存のMiniは、2005年1月に米国で発表され、2006年1月に新しく機種を追加している。
Googleのエンタープライズ部門 副社長 Dave Girouard氏は、同社のエンタープライズビジネスについて、「メインのウェブ検索ビジネスより5年遅れて始まったが、大きく成長している。現在すでに3000から4000社の顧客がいる」と好調ぶりをアピールした。
「企業向けの製品は、使い勝手が課題となる。シンプルで使いやすいものを作れば成功するチャンスも大きい。われわれはコンシューマービジネスで、ユーザーが検索する際に何を望むのか、何が難しいのか、どういうスペルミスをするかなど、多くを学んだ。これをエンタープライズ向けの製品にも生かすことができた」(Girouard氏)
Google エンタープライズ部門 プロダクトマネージャーのRajen Sheth氏も、Google Miniの使いやすさを強調している。同製品は、電源とイーサネットケーブルさえあれば、ネットワークの設定をするだけで「30分もあれば使える状態になる」という。
新しいGoogle Miniは、HTMLやPDF、Microsoft Officeなどを含めた220種類以上のファイルタイプの検索が可能だ。ウェブ検索に使われるGoogleと同じ使い慣れたインターフェースで、1秒につき最高25回の検索ができる。
Google Miniの価格は、検索できるドキュメント数が5万のモデルで46万円。ドキュメント数は最高30万までカバーする。いずれのモデルも1年間のサポートと共に提供される。販売は、三井情報開発、ネットマークス、NTTコミュニケーションズといったパートナーを通じて行われる。
12日は、日本オラクルも企業向けの検索エンジンとして「Oracle Secure Enterprise Search 10g」の出荷を開始した。同社 執行役員 システム事業推進本部長の三澤智光氏は、「顧客に提案する際、グーグルの名が競合としてあがったことはない」と、グーグルを特にライバル視していないと述べている。「顧客からは、“企業ポータルを作ったものの、特に検索が使いものにならないのでどうにかしてほしい”という声は聞こえてくるが、グーグルと比較検討するケースは今のところない。オラクルにはブランド力もあるし、特にオラクルのデータベースを導入している顧客にとってはわれわれの製品が一番使いやすい」と、オラクル製品をアピールしている。
一方GoogleのGirouard氏は、オラクルが検索市場に参入することについて、「この市場が成長しているサインでもあり、大歓迎だ。製品については、機能的に似ている部分があるかもしれないが、やはり検索といえばグーグルだろう。検索のためのエンジニアも多く抱えており、検索専業でやっているグーグルとしての強みがある」と述べた。
なお、両社の製品共に、クライアントPC内のデータ検索には、「Google Desktop」を採用している。