IT化が進み、多くのパソコンや業務システムが業務プロセスの必需品となったのに伴い、企業の中には膨大な情報が蓄積され、日々増え続けている。この膨大な情報を企業のビジネス価値にするためには、大量の情報の中から必要なものを的確に、即座に取り出すためには革新的な検索ツールや、情報管理・活用のためのソリューションが必要だ。ビジネスの現場に深く関わるソフトウェアを提供しているマイクロソフトが、次期OSである「Windows Vista」やサーバーサイドの検索と情報管理基盤となる「Office SharePoint Server 2007」などによって提供する新しい情報の管理と活用におけるソリューションについて、同社システムテクノロジー統括本部ポータル&コラボレーショングループマネージャの澤円氏が語った。
増え続ける情報を管理するための課題

マイクロソフト株式会社
システムテクノロジー統括本部 ポータル&コラボレーショングループマネージャ
澤円氏
1人1台のパソコンというワークスタイルが確立された現在、情報は増え続けているといえる。IDCの調査によれば、インフォメーションワーカーは15%〜30%の時間を情報検索に使用しているとされている。急激に増加する情報ソースはシステムの高度化による副産物でもあるが、この検索に浪費される時間は生産性と競争力を低下させる。これが検索の問題点だ。
さらに、使うという意味では、複雑化した情報を迅速に分析し、アイデアに変換することは困難であるため、存在する情報からタイムリーなアイデアを得られないという問題がある。また、過去の情報が地層のように蓄積された中には古すぎて使えない情報、現在利用しているアプリケーションでは読み込むことができないフォーマットなどが混在し、情報の取り扱いが複雑さを増している。
そして共有という面では、知識と情報の断絶という問題がある。物理的、組織的に断絶したチーム間での情報を見せるかどうかの境界線が、情報そのものの境界線にもなっている。このハードルをいかに下げるかが課題となる。
これらの情報の検索と利用にまつわる課題への対応を、マイクロソフトでは非常に重視していると澤氏は語る。現在マイクロソフトでは、新しいOSであるWindows Vistaをはじめとして、デスクトップ環境、イントラネット、インターネットにまたがる情報管理ソリューションを充実させようとしているところだ」(澤氏)
マイクロソフトの情報管理のビジョンは、検索においては個人に対して適切な情報に迅速に誘導すること。活用においてはニーズに合わせて情報を効果的に応用すること。また共有においては個人の発見を組織的な知識に変換することとしている。具体的には、検索、活用、共有のためのプラットフォームとして、Windows Live Search, Windows Vista, The 2007 Office System、そしてSharPoint Server 2007を提供している。
「ある調査によると、情報は人から聞いて取得するものが70%に及ぶという。人の脳というものは形式化されていない情報を整理し、投げかけられたキーワードに合致するかどうかを判断することができるという優れた力を持っている。これをどうやってITの世界と融合させるか、それが情報の管理、活用におけるテーマとなる」と澤氏は語る。