4月中旬から下旬にかけて、国内では企業内検索製品に関する発表が相次いだ。4月12日には、日本オラクルとグーグルが発表会を開催。また4月20日には、マイクロソフトがビジネスパートナー向けに開催したthe 2007 Microsoft Office System製品発表会の中で、次期SharePoint Serverに組み込まれる検索機能について触れた。
長年培った情報管理のノウハウがオラクルの武器
日本オラクルは4月12日、企業向け検索エンジンである「Oracle Secure Enterprise Search 10g」(OSES)を発表。同日に出荷を開始した。
3月初旬に開催されたOracle OpenWorld Tokyo 2006の基調講演において、CEOのLarry Ellison氏が直々に披露したOSESにおける最大のメッセージは、商品名にもあるとおり「セキュア」な企業内検索を可能にすることであるという。
12日の製品発表の席上、日本オラクルの執行役員システム事業推進本部本部長である三澤智光氏は、OSESの特徴として、Oracle Internet DirectoryおよびSingle Sign-Onの統合による権限管理機能に加え、あらゆるデータタイプとロケーションに対応可能なコネクタの開発環境、インストールと設定の容易さなどを挙げた。
標準で検索可能なリポジトリは、ポータル環境、ファイルシステム、IMAP4サーバ、ウェブ、Oracleデータベースとなっているが、Javaでコネクタを開発することにより、そのほかのリポジトリにも対応可能という。現在、日立製作所の「BOXER BLOG Sonar」やシックスアパートの「Movable Type Enterprise」といったイントラブログ製品向けのコネクタや、Lotus Notes、SQL Serverなどに対するコネクタの開発が進められており、これらは今後、製品に組み込まれるほか、技術者向けのサポートサイトである「Oracle Technology Network」で、無償で公開される予定だ。
Oracle Secure Enterprise Search 10gの価格は、プロセッサライセンスの場合、393万7500円。指名ユーザーライセンスの場合は1人あたり7875円。「日本企業にとって生産性向上ツールに対するニーズはまだまだ高い」(三澤氏)とし、オラクルの持つデータベース検索技術と情報管理のノウハウを武器に、エンタープライズ検索市場でのシェアナンバー1を目指すという。