情報共有のニーズが高まるビジネス業界。しかし、多くの企業では莫大なIT投資にもかかわらず、十分な効果を上げられていないという現状がある。そんな中、株式会社ドリコムは社内ブログの有効性にいち早く注目しビジネスを展開、簡易かつ効果的な情報共有を実現してきた。今回、同社ビジネスソリューション事業本部 オフィス営業部 部長の山本 直人氏が、社内ブログを用いた情報共有の有効性、さらには社内ブログとエンタープライズサーチの連携で実現する情報共有の将来像について語った。
情報共有を妨げる「難しい」「面倒」というイメージ
ドリコムは、ブログが爆発的に普及する以前の2004年9月から、市場ニーズを先取りした企業向けブログサービス「ドリコムブログオフィス」の提供を開始すると同時に、新たな社内情報共有の手段を提唱してきた。その結果、イントラ内で各社員がブログから情報を発信し、社員個人の情報共有を促す「社内ブログ」市場は順調な伸びをみせている。2006年10月3日現在、ドリコムブログオフィスの導入企業は200社以上、利用ユーザーは2万人を超えていることからも、社内ブログが現在の市場ニーズに合致した情報共有手段であることは明らかだ。

株式会社ドリコム
ビジネスソリューション事業本部オフィス営業部 部長
山本 直人氏
山本氏はまず、なぜ従来の情報共有は上手くいかなかったのかについて解説し、「確かに以前から、情報が集約された社内ポータル、グループウェアによる情報の一元管理、現場にあるナレッジや暗黙知の全社的な共有といった情報共有のニーズは存在している。しかし、多額のIT投資を行ったにもかかわらず、情報共有が機能していない企業は驚くほど多い」という。
2006年1月31日に発表されたGooリサーチの調査結果によると、現状の社内コミュニケーションツールの利用によって、"社内の情報共有が十分にできている"と回答した企業はわずか16.7%にとどまった。つまり、8割以上が情報共有に何らかの課題を抱えていることになる。
また同調査では、社内コミュニケーションツール利用時の問題点として29.2%が"情報が多すぎて欲しい情報がすぐに見つからない"と回答。次いで"新着情報を見るのが面倒"が25.4%、"行き違いや二重対応といった無駄が多い"が19.3%、"機能が多すぎて使い方が分からない"が15.9%という結果が報告されている。つまり、社内コミュニケーションツールを導入されているものの、使うのが「難しい」「面倒」だから情報を発信できなかったというのが実状ということになる。