ソフトバンク、来期にいよいよ黒字転換へ--ライブドア堀江氏にアドバイスも?

別井貴志(CNET Japan編集部) 2005年02月09日 23時56分

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売り上げ1兆円規模の企業に成長

 ソフトバンクは2月9日、2005年3月期第3四半期(10〜12月期)の決算を発表した。代表取締役社長の孫正義氏は「ブロードバンド事業は3年半を経過し、唯一連結決算の足を引っ張ってきたが、ADSLがようやく黒字を見込めるまでになり、次年度の2006年3月期通期では営業利益が4期ぶりに黒字転換するめどがついた」と業績回復へ自信を見せた。

 第3四半期の連結決算は、2004年に買収した日本テレコムの新規連結などにより、売上高が前年同期比88.9%増の2580億円となった。この売上高を通年に換算すると「初めて1兆円規模を達成した」(孫氏)と言う。

 営業利益は、前年同期の66億円の損失から75億円の損失へと損失額が9億円拡大した。これは、日本テレコムが2004年12月から開始した割安な固定電話サービス「おとくライン」に関する初期投資がかさんだためだ。この「おとくライン」を除いた営業利益では99億円の黒字になったとしている。

「Yahoo! BB」から「おとくライン」へ主軸を移す

 事業別に見ると、ブロードバンド事業(ADSL)の売上高は、前年同期比53.2%増加の504億円と引き続き伸びており、営業利益は前年同期の176億円の損失に対して、37億円の損失になり損失額が3四半期連続で減少している。さらに、会計基準や税率などによる影響を抑えて企業の損益を評価するときに用いられる経営指標の1つであるEBITDA(金利・税金・償却前利益で実質的な営業キャッシュフローを示す)で同事業を見ると19億円の黒字化を達成している。

業績回復に自信を示す孫正義社長。NTTや総務省に対して声を荒げる場面もあった。

 そのため、孫氏は「ADSLの顧客1人あたりの変動利益が増加する一方で、事業規模の拡大に伴う固定費が抑えられて横ばいで推移し、顧客獲得費用も縮小しているので、ADSL事業の営業利益が黒字化するのは時間の問題だ。インターネット事業は儲からないとさんざん言われてきたが、ようやくビジネスとして成り立つことを証明できつつある」と語った。

 このようにADSL事業の好転が顕著になる半面、現在もっとも注力しているのが、おとくラインだ。おとくラインの予約を含んだ受注回線数は2005年2月7日現在で86万回線、開通済みの回線数は12万回線ある。孫氏は「ADSLサービスやIP電話のBBフォンを開始したときは、不慣れだったので開通したあとに顧客とトラブルになるケースが多かったが、おとくラインではそのようなことはまったくない」と、立ち上がりが順調なことを示した。

 この背景には営業努力があるようだ。孫氏は「ソフトバンクの基本戦略は、まず“面”を拡大させ(低価格で良質なサービスを提供することで一気に顧客数を獲得することなど)、その後技術革新によりどこにも他にはない高付加価値サービスを次々に提供することで収益を得ることだ。これまで、その“面”を拡大させる主軸をADSL事業に置いてきたが、顧客獲得の効率の良さからこれをおとくラインにシフトさせた」と述べ、主力営業部隊をおとくライン事業へと移動させた。

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