IBM、Cellプロセッサの採用促進プログラムを発表

Michael Kanellos(CNET News.com)

2005-03-31 11:32

 IBMは、サードパーティー各社ができる限り簡単にCellプロセッサを採用できるようにしたいと考えている。

 同社は米国時間30日、Cellプロセッサを採用する電子製品メーカー各社に設計サービスとコンサルティングを提供するプログラムを立ち上げた。Cellは、東芝のテレビや、ソニーの次期PlayStationへの搭載が予定されるマルチコアチップ。

 このプログラムは、IBMがPowerチップの販促のために立ち上げたのと同様のもので、Intelや携帯電話用チップ最大手のARMの取り組みとも似ている。顧客は、各種製品にCellチップを搭載するにあたって、技術データ、シミュレーション、調査結果を活用したり、専用のソフトウェアを利用できるようになる。

 家電製品メーカーやネットワーク機器メーカー各社は、独自の開発作業を減らすため、このようなプログラムを好んで利用する傾向にある。IBMによると、これらのサービスは企業各社に有料で提供されるという。それに対し、多くのチップメーカーではこれらのサービスを無償で提供している。

 Cellを開発するIBM、東芝、ソニー以外のメーカーが同チップを採用するかどうかは、半導体市場における大きな関心の的になっている。同チップは、発売時には4GHz以上の速度で動作し、9個の処理コアを持つことになる。同チップはさまざまなタイプの製品で利用できる。

 Cellの設計チームの1人であるIBMのDac Phamは、同アーキテクチャが公開された2月に、「同等の消費電力でPCの10倍のパフォーマンスを達成できると考えている」と語った。

 しかし、複数のアナリストや競合各社は、Cellが参入する市場にはライバルが多いと推測している。彼らはまた、Cellの価格設定や消費電力の大きさについても疑問を投げ掛けている。

 

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]