既存システムをWebサービス化してSOA導入を加速する--XML処理装置を開発する米DataPower Technologyに聞く

日川佳三(編集部) 2005年07月13日 00時53分

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 WebサービスやSOA(サービス指向アーキテクチャ)による情報システムが実運用の段階に入った。システム間連携のメッセージには、データの属性情報を管理しやすいテキスト・フォーマットであるXML(Extensible Markup Language)を利用する。こうしたビジネス環境の変化を受け、情報システムのサーバに代わってXMLメッセージの解釈を代行する専用装置が市場に登場している。

米Data Power、ワールドワイド・チャネル担当シニア・ディレクタのアンディ・キャッシュ(Andy Cash)氏

 1999年の設立以降、一貫してXML処理に注力しXML処理装置を出荷する米DataPower Technology。同社でワールドワイドのビジネス・チャネル展開を担当するアンディ・キャッシュ(Andy Cash)氏が、東京エレクトロンが7月12日に開催した「アプリケーション指向ネットワーキングセミナー」に合わせて来日、ZDNet Japanに対して導入事例の実際など実務情報を語った。

--製品ラインアップについて教えて欲しい

 アプライアンスは3種類ある。(1)XML処理のアクセラレータ機能に限定した「XA35」のコア機能は、XMLデータをXSLTを用いて別のXMLデータに変換するというものだ。(2)セキュリティ機能をXA35に追加した製品が「XS40」だ。XMLデータが正しいものなのか、信用できるのかを保証するために、署名、認証、暗号化、MLの構文チェックなどを実施する。

 (3)もう1つはXI50だ。日本ではまだ出荷していないが、間もなく東京エレクトロンが出荷を発表するだろう。XI50は、企業へのSOAの浸透を助けるため、非XMLシステムをWebサービスとして使えるようにする機能をXS40に付与したものだ。CICSやCOBOLなど既存システムのシステム連携メッセージをXMLに変換するルールを生成、設定することで、既存システムでさえもWebサービス化する。

 我々が3製品をアプライアンスとして提供している点は特に重要だということを理解して欲しい。ソフトを汎用のコンピュータ上で動作させているわけではなく、専用のハードウェアで実現することで、拡張性と可用性を得ている。アプライアンスは、アプライアンス以前の製品よりも優れている。

--確かに、独立させることが可能な機能はアプライアンス化していく流れがある

 その通りだ。加えて言いたいのは、技術は4つの段階を経るという点だ。(1)まずはコンピュータにインストールして運用するソフトウェアのフェーズだ。(2)次に、PCサーバにソフトをプリインストールしたアプライアンスが市場に出る。ここまでは、よくある話だ。

 PCサーバを用いたアプライアンスからさらに一歩進むと、(3)ASICなど専用のハードウェアを用いたPCではない機器が登場する。米Cisco Systemsのルータなどが、この段階に相当する。(4)最後に、機能をチップ内部に実装してOEM(相手先ブランドによる生産)供給するフェーズが訪れる。

 米DataPower Technologyは、XML処理の分野で最初に専用ハードウエアを用いた企業であり、実はすでに最終フェーズである機能のチップ化も達成した。このチップを用い、米IBMのブレード・サーバ用に、1枚のブレードの形態でXML処理機能を実現した。米IBMが評価中だ。彼らは、そのうち市場に出すだろう。XML処理機能のチップ化の背景には、通信事業者が要求する基準を満たすという狙いがある。

--XML処理装置を活用しているユーザー事例があれば、例を挙げて詳細を話して欲しい

 ある大きな銀行が構築中のネットワークの話をしよう。本社に設置したメインフレーム上でIBM WebSphereで構築したウェブベースの基幹システムを運用し、1000社に達する支社からブラウザを使ってアクセスする。このケースでは、XMLデータをHTMLに変換する処理に負荷がかかる。

 彼らが当初考えた解決方法は2つある。1つはメインフレームのCPU処理能力を拡張するというシナリオだ。これはコストが膨大にかかるため見送った。もう1つの解決方法は支社側でHTMLへの変換を実施するというものだ。この方法は初期導入コストは抑えられるものの、1000社に分散したシステムを管理するコストが膨大に膨れ上がる。

 最終的に採用したのが、我々のXA35を導入するという解決方法だ。XML処理にかかる負荷を、1000社の支社を、たった2台のXA35を冗長構成で導入することで回避する。

 セキュリティ機能を持つXS40の事例も挙げよう。2年前に本番稼動した自動車ローンの申請サービス「RouteOne」だ。XS40は、自動車を買いたい人と自動車会社との間で、XMLで書かれた自動車ローン申請フォーマットを仲介する際に、データの改ざん防止や認証などを実施する。

 1台のXS40を導入するだけで、通信相手の認証やXML構文のチェックなどが可能になる。申請が正しいか、を調べられるようになる。インターネットなどの公衆網を利用する際には、2台のXS40を相互に設置したり、ソフトを導入することで、データを暗号化する運用も可能になる。

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