「IT管理者はXboxの利用検討を」--ガートナーが2006年の予測を発表

Andrew Donoghue(ZDNet UK)

2005-12-12 12:44

 市場調査会社Gartnerによれば、2006年は技術に遅れず付いていくことが企業IT戦略の中核となり、新たなコンソールやヘッドセット型ディスプレイなどに予算が割かれるという。

 Gartnerは、経理部門との連携といった通常の提言とともに、2006年にIT管理者が取り組まねばならない10の項目を発表した。また同社は、ゲーム機などの新技術を開拓することも推奨している。

 Gartnerが米国時間8日に発表した「CIO Resolutions for 2006」では、IT管理者が今後1年間の戦略を立てるのに有用なガイドラインが10項目にわたって示されている。同社は、技術革新の波がやってくるにもかかわらず景気の見通しは立たないことから、2006年は「矛盾をはらんだ年」になると述べている。

 GartnerのリサーチフェローMark Raskinoは、「2006年、企業とそのIT部門は2つの相反する力の板挟みになる。市場に新技術が浸透し始める中、予測不可能な経済概況および景況感の低下が、技術革新の興隆と一体化するのだ」と話す。「こうした複雑かつ不安定な時期を乗り切るためには、IT部門のリーダーが、前に進むことを意識しながらも新技術の検討に時間を費やして、組織を牽引していかねばならない」(Raskino)

 GartnerのCIO Resolutions for 2006に含まれる10項目は、次の通りだ。

  1. 第2のインターネット革命について、(他社に先駆けて)自社内の啓発を図る
  2. 「移行禁止」の指示をあらかじめ設定しておく
  3. 大幅な技術革新に対応する時期を2008年に見据える
  4. 次の仕事に対して、自分とチームの準備を整える
  5. 「サービスとしてのソフトウェア(software as a service)」を試験的に導入し、その利用訓練を行う
  6. 企業の合併および買収能力を組織立てる
  7. CFO(最高財務責任者)とともに、収益体系を見直す
  8. 自分のチームとブランドを確立する
  9. CEOとの会議の進め方を刷新する
  10. 10.2006年に「旬」となるテクノロジーを確認しておく

 Gartnerの提言の中で目新しかったのは、これまでビジネスとは無関係だと考えていたテクノロジーを新規に開拓して、技術的な視野を広げるようIT管理者に勧めている点だ。2006年には、以下の最新技術のうち少なくとも3つを試しに利用してみるべきだと、Gartnerは述べている。

  1. 「Writely.com」や「Num Sum」といった、ウェブベースのマイクロアプリケーション
  2. 「Flickr」
  3. 「Nintendo Revolution」および「Xbox 360」などの次世代ゲーム機
  4. 頭部に装着するタイプのディスプレイ
  5. 「Google Earth」
  6. コンシューマ向け技術であるポッドキャスティングなど(社内コミュニケーションの手段として試用する)

 Gartnerのリサーチ部門責任者John Mahoneyは、「こうしたソリューションを活用して、自分と自社の向上を図れなければ、2007年に冷や汗をかくことになるだろう」と指摘した。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]