日本IBMは7月20日、自動車の電子化に関する設計支援施設「IBMオートモーティブ・イノベーション・センター(IBM Automotive Innovation Center:AIC)」を、神奈川県大和市の東京基礎研究所内に開設したと発表した。
AICの目的について、日本IBMは「自動車産業の顧客が持つ機構や電子制御などの開発および設計技術と、当社の経験や設計技法『Integrated Systems Design(ISD)』 を始めとする技術を融合し、車の基本性能における安全性はもとより、快適性や環境への配慮に対する高度な設計、開発を支援していく」と説明する。
ISDは、米IBMのワトソン研究所が中心となって開発した設計技法だ。自動車などのハードおよびソフトの両要素で構成される大規模かつ複雑なシステムを対象としており、開発ライフサイクル全般を統合できる。
ISDでは、システム設計向けモデリング言語「Systems Modeling Language(SysML)」を用いて、システム要件の体系、論理/機能仕様の体系、物理システム仕様の体系などの設計情報を記述する。また、サービス指向アーキテクチャ(SOA)対応ITインフラで各種情報を管理することで、開発担当者はお互いの情報を参照しながら作業を進められる。