Apache Harmony、サンにJCKライセンスの変更要請

文:Stephen Shankland(CNET News.com) 翻訳校正:編集部

2007-04-12 12:44

 オープンソース版Javaの開発を目的とする「Apache Harmony」プロジェクトの創設者であるGeir Magnusson氏は米国時間4月10日、Javaの作成者であるSun Microsystemsに対し、同社のJava互換性検査ソフトウェアのライセンス事項をオープンソースプロジェクトが使用できるよう、変更を正式に要請した。

 Sunは独自のJavaオープンソースソフトウェアを作成しているが、同社の「Java Compatibility Kit(JCK)」はオープンソース化されていない。Magnusson氏はSunの最高経営責任者(CEO)であるJonathan Schwartz氏に宛てた公開書簡の中で、Javaソフトウェアの中核である「Java Standard Edition」について、「2006年8月以来、ASF(Apache Software Foundation)は、『Java SE』のテストキット用の適切なライセンスをSunから取得しようと試みてきた。Sunの『JCK』ライセンスは、自社のJava市販ビジネスを保護するために、ASFのオープンソフトウェアを犠牲にしている」と記した。

 Magnusson氏は、SunのJCKライセンス事項が「Java Community Process(JCP)」の規約に違反すると主張した。JCPは、Javaの新機能開発に関心を持つ団体はこれに基づいて開発を進めるという公式なメカニズムである。同氏によると、具体的には、Sunのライセンス事項は、JCPメンバーを統括する「『Java Specification Participation Agreement(JSPA)』に反している」という。

 Magnusson氏は、「JCPは、単一の団体によるこのような市場統制を防止することを目的に設立された。また、Sunはビジネス戦略として、オープンソースの尊重を主要な要素として掲げているにもかかわらず、(Sunのライセンスは)オープンソースの精神にも名称にも反している」と記している。

 Magnusson氏は、「JSPAに準拠した適切なライセンスを30日以内に提供すること、それができない場合にはその理由を公的に発表することを望む」と記した。

 Magnusson氏によると、映像ストリーミング関連新興企業Joostに務めるためIntel退社した同氏だが、現在もHarmonyにはかかわっているという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]