この記事に接したのが丁度ゲイリー・ハメルの『経営の未来』を読み終えようとするときだっただけに、結構驚いたのである。その記事とは、『シュミットCEO:「従業員を管理できない」--グーグル、雇用ペースを減速へ』と題するCNETのエントリーで、以下のようなCEOのコメントを掲載していた。
Schmidt氏はCNBCのインタビューで、「いくつかの理由により、雇用ペースを減速した。最大の理由は、従業員が何をやっているのか管理できなくなってきたと感じ始めたからだ」と語った。「誰が何をやっているのか、従業員が何をやっているのかを把握するためのわれわれのシステムが、すばらしい人材を採用するペースに追いついていない」(Schmidt氏)
グーグルが従業員を管理するということ
この記事の時点でグーグルの従業員数は1万9156人だというから、普通に考えればしっかりとした従業員の管理システム、つまり一般企業であれば、勤怠管理、指揮系統、給与、福利厚生、評価、社員スキル、などなどが十分に備わっていないとなれば、さすがのグーグルもグローバルな人員の急増はちょっとしんどいかと思ってしまうところである。
ところが、この記事にやや過剰に反応してしまったのは『経営の未来』においてゲイリー・ハメルはグーグルを取り上げて、従業員を管理しないそのマネージメント・スタイルこそがグーグルの成功の源泉であると賞賛しているからである。