シマンテック、DLP分野では「エンドポイント保護」から着手

渡邉利和 2008年05月16日 14時19分

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 シマンテックは5月15日、2007年12月に米国で買収が発表された、Vontuの共同設立者兼CTOだったMichael Wolfe氏(現Symantec テクノロジ&サポート担当バイスプレジデント)によるDLP(Data Loss Prevention:情報漏えい保護)に関する説明会を開催した。

 同氏によれば、DLPが対象とするのは、不注意や「ビジネスプロセスのほころび」などの原因で社内の重要なデータや情報が社外に流出してしまうことであり、社外から悪意をもって社内システムに侵入して盗み出したり、従業員等による意図的な持ち出しなどの「企業情報窃盗」対策とはスコープが異なるものだという。

Michael Wolfe氏 Michael Wolfe氏

 同氏は、保護されるべき企業内の情報として、「顧客情報」「知的資産」「企業情報」の3種を挙げた。

 顧客情報は、顧客に関する個人情報で、これが流出した場合には企業は社会的にも大きなダメージを受けることになる。知的資産は、ソースコードや設計情報など、なにか商品を製造している企業の場合には特に分かりやすいかたちを取る。いわば事業の根幹を支える重要情報といった位置づけだ。最後の企業情報とは、財務会計情報、企業合併や買収などの重要戦略情報、従業員の個人情報といったどんな企業にも共通する重要情報だという。これらを意図せぬ流出から保護するのがDLPの役割というわけだ。

 同氏はシマンテックによるVontuの買収の経緯について、「VontuはDLP市場のリーダーであり、買収前の市場シェアは60%に達していた。一方シマンテックはセキュリティ市場のリーダーであり、買収に関しては、その市場のリーダー企業を買収する、という方針を掲げている。Vontuとしても、セキュリティ市場のリーダーであるシマンテックと一緒になることは市場を拡大する上でも歓迎すべき事だった」とまとめている。

 VontuのDLP製品の特徴は、情報を保護すべきポイントである「ストレージ」「エンドポイント」「ネットワーク」の3種のレイヤ全てに対応する製品を揃えていることだという。さらに、これらが共通化された「検出」「ポリシー」「対応」といった基盤技術を共有し、さらにワークフローやレポーティングの自動化機能など、DLPに関する包括的な製品体系を構築している。まずこの、包括的な対応をいち早く実現した点が市場でVontuがリーダーとなった要因だという。そして、シマンテックもストレージ、エンドポイント、ネットワークのそれぞれに対する保護製品/技術を有しており、すべての分野で相互の強みを融合していけることが両者の合併のメリットだとした。

他社に先駆けた包括的な製品により、Vontuは市場シェアを伸ばしたという。 他社に先駆けた包括的な製品により、Vontuは市場シェアを伸ばしたという。

 なお、法的にはまだ両者の合併手続きは完了していないため、現時点ではシマンテックとVontuの統合の成果となる具体的な製品計画については未定だ。将来的な製品の統合に関しては、まずエンドポイント保護の分野から着手する計画が明らかにされている。

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