#4:セッション丸ごとではなく、個々のアプリケーションをホスティングすることができる
Windows Server 2008における筆者のお気に入りの新機能にRemoteAppがある。RemoteAppを使うことで、デスクトップ環境全体を仮想化するのではなく、個々のアプリケーションを仮想化できるようになる。このアプローチによって、サーバリソースに対する要求を低減できるというメリットに加えて、管理者が完全なシンクライアント環境を構築することなくアプリケーションの中央管理を行えるようになるというメリットももたらされるわけだ。
#5:デスクトップハードウェアの長寿命化が可能になる
経済を取り巻く状況が厳しい中、どの企業もIT予算を最大限に活用する道を模索している。ターミナルサービスを使用することで、デスクトップPCの使用年数を延ばすことが可能になる。すべての処理をサーバ側で行うようにすることで、デスクトップPCは基本的にダム端末としての機能があれば十分となる。つまり、デスクトップハードウェアの寿命は、どんどん肥大化するアプリケーションをローカルで実行させ続ける場合に比べて、より長くなるというわけだ。同様に、ターミナルサーバ上でアプリケーションを実行することにより、新たに購入するデスクトップハードウェアに対する要求が緩和されるため、ITコストの削減を図ることも可能となる。
#6:ユーザーは、どこからでも自らの「仕事用コンピュータ」にアクセスできるようになる
オフィス外で作業をする必要のあるユーザーを支援するという話は、特に目新しいものではない。しかし、あなたがリモートユーザーを支援したことがあるのであれば、モバイルコンピュータを最新の状態に保っておくことの難しさは痛感しているはずだ。また、ユーザーが複数のコンピュータを使い分けている場合、それらのコンピュータがまったく同じ設定となっていない限り、オフィス外での作業効率に支障をきたす可能性もある。ターミナルサービス環境を導入することで、リモートユーザーに対して、オフィスで働いているか出先であるかにかかわらず、一貫性のあるエクスペリエンスを提供できるようになる。
#7:アプリケーションの保守が容易になる
ターミナルサービス環境では、アプリケーションは個々のデスクトップPC上ではなくターミナルサーバ上にインストールされる。その結果、各アプリケーションは1つずつしかインストールされないことになるため、アプリケーションに対するパッチの適用ははるかに容易な作業となる。企業内のデスクトップPCにインストールされているアプリケーションすべてにきちんとパッチが適用されているかどうか、個別に確認しなくてもよくなるわけである。ただ、OSはデスクトップPCごとにインストールされているため、それぞれが最新の状態に保たれていることを保証しなければならないという点に留意しておいてほしい。