MicrosoftはAzureデータセンターの回復力強化のために、いくつかの面から取り組みを進めている。米国時間5月6日〜8日まで開催された「Build 2019」では、Microsoft Azureの最高技術責任者(CTO)Mark Russinovich氏が「Inside Azure datacenter architecture」というプレゼンテーションを行い、Microsoftがフォーカスしているという信頼性に特化した分野における取り組みの一部を紹介した。
Russinovich氏がここで紹介したのが「Project Tardigrade」だ。「tardigrade」は緩歩動物、クマムシを意味するが、緩歩動物は驚異的な耐久性をもち、極度な気温や宇宙空間など過酷な状況下でも生存できると言われている。
「我々のサーバーにクマムシのような耐久性を持たせたい」とRussinovich氏は述べる。トラブル発生時に、「仮想マシン(VM)を再起動させたくない」と続ける。Project Tardigradeにより、「VMをRAMで凍結状態にして、保存する」ことで、新しいサーバーで復活可能にするという。
Russinovich氏は、Project Tardigradeの下で開発した技術がいつ使われるようになるのかについては詳細を明かしていない。だが、Buildのプレゼンテーションでは実際に動かしたデモは見せた。
過去にも、Tardigradeと呼ばれるMicrosoft Researchプロジェクトが存在した。2015年5月に公開されているリサーチペーパーでは、「軽量の仮想マシンを活用して、フォールトトレラントシステムサービスを効率よく構築できる」と説明しているが、Microsoftの担当者が14日、2つのTardigradeと呼ばれるプロジェクトは別物であり、AzureのProject Tardigradeはまったく新しい取り組みであることを教えてくれた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。