米Oracleがパブリッククラウド「Oracle Cloud」の次世代データセンターを日本に開設した。同社の最新データベースなどが利用できる。その発表会見を聞いていて1つの疑問が浮かんだ。それは、Oracle Databaseは「ポータブルな利用環境」を捨てたのか、ということだ。
日本オラクル社長の自信に満ちた発言とは
「かねてお約束していたOracle Cloudの次世代データセンターを東京に開設した。6カ月後には大阪にも開設する。これによって、国内で大手を中心として50%以上の企業にお使いいただいている当社のデータベースのクラウドへの移行ニーズにお応えできるようになった」
日本オラクルのFrank Obermeier 取締役 執行役社長CEO(最高経営責任者)は、同社が先頃開いた次世代データセンター開設についての発表会見でこう切り出した。(写真1)
写真1:会見に臨む日本オラクルのFrank Obermeier取締役 執行役社長CEO(左)と竹爪慎治 執行役員クラウドプラットフォーム戦略統括
厳密に言えば、「これによって」の前に、「パブリッククラウドではAmazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureなど良い仕事をしている競合もいるが」と述べている。筆者にはこの言い回しが、それでもOracle DatabaseユーザーはOracle Cloudの次世代データセンターを待っていた、と言わんばかりの自信に満ちた発言に聞こえた。
国内でOracle Cloudの次世代データセンターを開設したOracleおよび日本オラクルの狙いについては、図1に集約されている。日本オラクルの竹爪慎治 執行役員クラウドプラットフォーム戦略統括はこの図を示しながら、「基幹でのクラウド活用にはエンタープライズクラウド、デジタルトランスフォーメーション(DX)におけるクラウド活用にはイノベーションクラウドを提供する」と説明した。
図1:国内でOracle Cloudの次世代データセンターを開設した狙い
会見内容の詳細については関連記事をご覧いただくとして、本稿では、会見を聞いていて筆者の頭に浮かんだ1つの疑問について記しておきたい。それは、Oracle Databaseは「ポータブルな利用環境」を捨てたのか、ということだ。