Oracle Cloudで何ができる? どこが凄い? 企業が使うべき理由は?

“クラウド・ファースト”を合い言葉に、ハードウェアからソフトウェアまで全ての領域でクラウド対応を急ピッチで進めるオラクル。同社ならではの強みと先進技術を生かした新たなサービスが続々と登場している。2014年のサービスインからわずか3年でラインアップを大きく拡充したOracle Cloudの最新の特徴と競合ベンダーに対する強み、企業にとっての活用メリットを、国内企業のクラウド活用を幅広く支援するCスタジオの千貫素成氏が日本オラクルの佐藤裕之氏に聞いた。

パブリック・クラウド、Oracle Cloud at Customer、
オンプレミスを同じテクノロジー/アーキテクチャで提供


千貫素成氏
Cスタジオ 代表取締役社長

前職は三菱UFJインフォメーションテクノロジー(MUIT) ITプロデュース部 部長。MUIT時代はR&D担当として金融システムへの新技術の適用、ITアーキテクトとして三菱UFJフィナンシャル・グループのIT標準の策定やプライベート・クラウドの企画/運営などを担当した後、独立してCスタジオを設立。現在は通信業や金融業、人材業をはじめ、さまざまな業界に向けクラウドとAI、ビッグデータなどの先進技術を用いた各種システムの企画/開発/運用を支援している。

千貫素成氏(以下、敬称略)私は国内金融機関のグループIT会社でIT標準の策定やプライベート・クラウド基盤の企画/運営などを担当した後に起業し、現在はクラウドを活用した先進的なシステムの企画/開発でさまざまな業界をご支援しています。前職ではミドルウェアを中心にオラクル製品を利用していました。今はクラウドとオープンソース・ソフトウェア(OSS)を用いたシステムをご提案するケースが多いのですが、実はOracle Cloudはまだ使ったことがありません。そんな私にも最適なサービスが登場すると聞きましたので、今回はその辺りを中心に競合に対する優位性なども伺っていきたいと思います。

 国内でOracle Cloudの提供が開始されたのは2014年です。PaaSに関して言えば、当時はOracle WebLogic ServerやOracle Database、Java SEのクラウド・サービスが主なラインアップでした。


佐藤裕之氏
日本オラクル Cloud Platformビジネス推進本部 クラウド・テクノロジー事業統括 Cloud Platformビジネス推進本部 本部長

2002年に日本オラクルに入社し、SOA系ミドルウェアのエンジニアやOracle Databaseの販売企画などを担当した後に現職。オンプレミスの既存資産を生かしながら最新の技術を取り込んで企業システムを発展させていけるOracle Cloudのメリットを多くの企業に届けるために日々、邁進している。

佐藤裕之氏(以下、敬称略)当初は既存のミドルウェア製品をサービスとしてご提供するところからスタートしましたが、現在は“クラウド・ファースト”で開発されたものも多数加わり、ラインアップが大きく拡充されています。それらのサービスのご紹介に入る前に、まずオラクルのPaaS、IaaS系の製品/サービスのラインアップの概要をご説明させてください。

 オラクルは現在、ハードウェアも含め全ての製品を大きく3つの形態で提供するという方針を推進しています。1つはオンプレミスで、これは従来と同様にライセンスや年間サポートを購入してご利用いただくというものです。2つ目はパブリック・クラウドで、Oracle Cloud上でサービスとしてご利用いただきます。そして、3つ目が「Oracle Cloud at Customer」というもので、これはOracle Cloudと全く同じ環境をお客様のデータセンターなどに設置してサービスとしてご利用いただけるものです。これら3つの形態を同じテクノロジー/アーキテクチャで提供することで、オンプレミス/クラウド間におけるIT資産の移行やノウハウの活用を容易にしている点が大きな特色です。

3つのラインアップ 3つのラインアップ
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千貫他社にない独特のアプローチですね。

佐藤これら3つのうち、私たちがクラウドと呼んでいるのがOracle CloudとOracle Cloud at Customerですが、これらについては現在、主に次の観点で投資を行っています。1つはIaaSに関して、今日多くの企業が利用しているAmazon Web Servicesよりも安価かつ豊富な機能を提供すること。2つ目は、Oracle Cloud at Customerのポートフォリオをより拡充していくことです。

「他のクラウド・ベンダーよりも安価に」。ベアメタルも用意

千貫「Amazon Web Servicesよりも安価に」とは随分、野心的ですね。

佐藤はい(笑) IaaSに関しては、Amazon Web ServicesやMicrosoft Azure、Google Cloud Platformのプライシングを研究し、同等以下に設定します。この価格で、他社よりも優れたサービスを提供していきます。

IaaSのサービス・ラインアップ IaaSのサービス・ラインアップ
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プライシング プライシング
※クリックすると拡大画像が見られます

千貫“規模の経済”で言えば、オラクルがAmazon Web Servicesよりも安価に提供するのは難しいはずですが、なぜそれが可能なのでしょうか?

佐藤正直に言うと、IaaSに関しては利益を度外視しています。オラクルには、IaaSだけでなく、PaaS、SaaS、オンプレミスのビジネスもありますから。

千貫「より付加価値の高いPaaSなどのニーズが高いはずだが、初めは既存インフラの置き換えでIaaSから入る企業が多いだろう。それを呼び水にして、いずれはPaaSも使ってもらおう」という戦略でしょうか。わかりやすいですね。

佐藤Oracle Cloudは、他社と同様のサービスを安価に提供してアジリティ(俊敏性)向上に貢献するもの、ミッションクリティカル・システムで求められる高い性能を追求するものなど、お客様のニーズに応じてさまざまなサービスを取り揃え、それぞれのメリットを包括的にご利用いただける次世代クラウドとして開発を進めています。当然、ベアメタルもご用意していますし、パブリック・クラウドに置けないものはOracle Cloud at Customerを使ってプライベート・クラウドとして運用していただくこともできます。

千貫Oracle Cloud at Customerは、企業がグループ内で使うプライベート・クラウドの基盤として利用でき、例えばデータベースのマルチテナント機能が使えたりするのでしょうか?

佐藤はい、Oracle Databaseのマルチテナント機能をはじめ、Oracle Cloudと全く同じ機能が使えます。プロビジョニングや環境構築、拡張が素早く行えるといったパブリック・クラウドのメリットを企業のオンプレミス環境で利用できる点がOracle Cloud at Customerの大きな特徴です。大規模な事例では、米国AT&T様がオンプレミスで運用してきた既存の基幹システムをOracle Cloud at Customer上でマイグレーションしつつ、新規システムはOracle Cloudで構築/運用するといった使い方をされています。

千貫将来的にパブリック・クラウドの活用を検討している企業が、まずOracle Cloud at Customerでクラウドに慣れながら徐々に移行するといった使い方ができるわけですね。このサービス・ラインアップは大きな安心感につながります。初めは助走期間としてOracle Cloud at Customerを使い、パブリック・クラウドへの移行後に性能面などで支障が出た際にはOracle Cloud at Customerに戻ることもできるし、ベアメタルに逃げることもできるわけですから。

佐藤日本のお客様の中には、パブリック・クラウドを使いたいけれども社外にデータを置くのは抵抗があるというところが少なくありません。そうしたお客様には、まずOracle Cloud at Customerでいち早くクラウドのメリットを享受するという活用法をお勧めしています。

千貫そして、適切な時期が来たらアプリケーションの修正なしでパブリック・クラウドに移行でき、運用ツールなどもそのまま同じものが使えると。これは素晴らしいアプローチですね。特に大企業向けには良いクラウド戦略だと思います。

 ただし、問題はその中身でして…(笑) 私も前職時代はオラクルのミドルウェア製品を長年使っていましたが、ライセンス料が高いことがネックでした。そのため、最近はオープンソースをメインに使っています。オラクルの高機能かつ高性能な企業向けクラウドを使うためには、また高価でプロプライエタリな製品/ソフトウェアの世界に逆戻りしないといけないのかというのが引っかかるところです…

ホワイトペーパー

提供:日本オラクル株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2018年3月31日
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