Oracle Cloudで何ができる? どこが凄い? 企業が使うべき理由は?

オラクルは“クラウド・ファースト”かつ“オープンソース・ファースト”

佐藤その点について、最新のPaaSのご紹介も兼ねてお話しします。Oracle CloudのPaaSはミドルウェアのサービスを中心にスタートした後、IoT(Internet of Things)やビッグデータ、モバイル、インテグレーションなどのサービスを段階的に追加してきました。そして、2017年にはさらに大きくサービスを拡充しています。例えば、Hyperledgerをベースにしたブロックチェーン系のサービス(Oracle Blockchain Cloud Service)も間もなく登場しますよ。

Oracle CloudのPaaS系サービスの最新のラインアップ Oracle CloudのPaaS系サービスの最新のラインアップ
※クリックすると拡大画像が見られます

千貫それは興味深い。ほかには当然、AIもありますよね。

佐藤「Oracle AI Platform Cloud Service」としてリリース予定です。「Oracle Management and Security Cloud」として、オンプレミスとOracle Cloud、Amazon Web Servicesなどの他社クラウドをまたいだユーザー認証やセキュリティ管理を一元的に行えるサービスも登場します。


オラクルは2017年9月、CNCFに最上位のプラチナ・メンバーとして参画した。

 ミドルウェア系のサービスもドラスティックに変わります。クラウド・ネイティブな開発環境の準備を進めており、これを「Oracle Container Native Application Development Platform」として2017年10月開催の「Oracle OpenWorld 2017」で発表しました。9月にはクラウド上のコンピューティング環境に関する標準化団体「Cloud Native Computing Foundation(CNCF)」に参画しており、CNCFでも使われているLinuxコンテナ管理技術「Kubernetes」の開発プロジェクトにはオラクルの開発者がコミッターとして多数参加しています。

 さらに、OSSの開発プロジェクトとして「Fn Project」を新たに立ち上げました。これはマイクロサービスなどの実行環境となるサーバレスの軽量なランタイムを開発するプロジェクトです。その成果はOSSとしてコミュニティに還元しつつ、オラクルならではの付加価値を加えたものをクラウド・サービスとして提供していく予定です。


Oracle Container Native Application Development Platformに強い関心を寄せる千貫氏──「すぐにでも試してみたいですね。ぜひベータ・テストに参加させてください」

千貫驚きました、オラクルは随分変わったのですね。私がご支援しているお客様の中には、「オラクルのクラウドはライセンス料が高いんじゃないか」、「使い始めたら毎年料金が上がっていくんじゃないか」と心配しているところが少なくありませんが、OSSベースならライセンス料のことを心配せずにどんどん使えそうです(笑) ちなみに、Oracle Container Native Application Development Platformでは、Kubernetesの管理画面も提供されるんですか?

佐藤はい、ご提供します。

千貫当社でもKubernetesを検証してみたのですが、今はコマンドラインのインタフェースしかなくて使いづらいので、自社でWebポータルを作ろうかと考えていたんですよ。具体的には、現在立ち上がっているコンテナの数を表示したり、障害が起きたら警告を表示したり、Dockerのインストール先を指定したりするための画面を独自に作ろうと思っていたのですが、Oracle Cloudで管理画面が提供されるのなら便利ですね。当社のお客様にKubernetesの活用を検討されたところがあるのですが、やはりコマンドラインでは使いづらいということで、結局Kubernetesを使わずにDockerを管理する画面を自力で作られたそうです。Oracle Container Native Application Development Platformは、そうしたお客様にご紹介したいサービスですね。

佐藤Oracle Container Native Application Development Platformには、Java SEやPythonなど、さまざまな言語で開発したアプリケーションを実行するためのランタイムも用意されています。オラクル製JVM(Oracle JVM)向けに提供されているJavaアプリケーションの障害解析ツール「Java Flight Recorder」も使えます。オラクルは近年、“クラウド・ファースト”を合い言葉にしていますが、同時に“オープンソース・ファースト”も推進しています。こうした動きに合わせて、社内のソフトウェア開発体制も大きく変えました。

Oracle Cloudはオープンソースの活用基盤としても最適


佐藤氏は、「Amazon Web Servicesの躍進に対する驚きと危機感がオラクルを大きく変えた」と語る。

千貫Oracle Cloudは、必ずしもソフトウェアのライセンスとセットではないとわかったことは収穫です。Oracle Cloudを採用することは、「OSSを活用したい」という企業の戦略を阻害しないわけですね。それにしても、オラクルはどうしてここまで大きく変わったのでしょうか?

佐藤やはり危機感です。正直に言えば、Amazon Web Servicesがこれほど成功するとは思っていませんでしたし、現在、ますます勢いに乗っています。それに追いつき、追い越すために、オラクルは大きく変わったのです。実際に危機感を強めたのは数年前ですが、実はその頃からAmazon Web ServicesやGoogle Cloud Platformの開発に携わった経験を持つエンジニアを積極的に採用してきました。現在、ミドルウェア系サービスの開発を主導しているのもAmazon Web Servicesで活躍していたエンジニアです。彼が移籍した大きな理由は、「Amazon Web ServicesでやれなかったことをOracle Cloudで実現する」ことだそうです。

千貫なるほど、サービスを開発する“中の人”も変わってきているのですね。それにしても、私たちはグーグルが作ったKubernetesをAmazon Web Services上に載せるために工夫してきたのですが、まさかオラクルがすでに同じことをやっていたとは… 私にとっては衝撃的です。オラクルの文化が大きく変わっているし、佐藤さんのお話もA社のプレゼンを聞いているようでした(笑) 本日はありがとうございました。

ホワイトペーパー

提供:日本オラクル株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2018年3月31日
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]