日本史上初の超大型10連休も終わり、新しい令和の時代がやってきました。新しい時代には、新しいWindows。いよいよWindows 10を実際に導入していきましょう。今月のテーマは、「試験導入をする」です。
Windows 10は、年2回の機能更新「Feature Update」と呼ばれる大型アップデートが行われます。“大型”というだけあって大きな仕様変更が幾つもあります。そのため、毎度完璧にそれらの変更を把握してテストする、ということは現実的に不可能です。そのため、アップデート前のIT部門内でのテストはほどほどにして、なるべく早く、小さな範囲で試して、問題を解決しながら段階的に展開していくパイロット運用を推奨しています。
Windows 7からWindows 10へ移行するためのアプリなどのテストも、同じような感覚で行うことをお勧めします。これも前回申し上げましたが、Windows 10はクラウドと緊密に連携するOSです。そのため、IT部門内の閉じられた環境でいくらテストしてもあまり意味がありません。本番のネットワーク、インターネットにつながった状態でないとテストの意味が大きく損ねられてしまうのです。あまりIT部門内のテストに時間をかけず、一部の人たちに先行してWindows 10を試験導入しテストしてもらいましょう。
Microsoftは、「Windows 7とWindows 10のアプリケーションの互換性は高く、96%のアプリケーションは何もしなくてもWindows 10で動く」としています。先日、某ユーザー会で、とある企業のWindows 10への移行事例を拝聴しましたが、200のアプリケーションのうち問題があったのは2個で、それもプリンターや外部デバイスといったドライバー関連の不具合のみだったそうです。不具合率はわずか1%。私個人としては、ユーザーからよく聞く話として最も多いのがビデオ関連の不具合ですが、アプリケーションをコードレベルで修正したという話はあまり聞きません。
ただし、ここでも注意していただきたいことがあります。いくら可能性が低いとはいえ、不具合が発生しないからすぐに展開していい、というわけではありません。展開して、なるべく早く不具合を見つけて、対処する。このサイクルをなるべく小さく回すべきであるという考え方に基づいています。