Googleは「Chrome」ブラウザー向けのアドブロッカーを殺そうとしているわけではなく、安全なものにしようとしている。米国時間6月12日に「Google Security」ブログに記されたこのメッセージは、Chromeの拡張機能を改良しようとする同社の計画に投げかけられた批判に答えるものだ。
提供:Stephen Shankland/CNET
GoogleのDevlin Cronin氏は同投稿で「われわれは、アドブロッカーの開発を阻止しようとしているわけではなく、ユーザーが広告をブロックしようとするのをやめさせようとしているわけでもない。そうではなく、コンテンツブロッカーを含め、開発者がユーザーのプライバシーを保護するかたちで拡張機能を開発できるよう支援したいと考えているだけだ」と述べている。
Googleは2018年10月に、Chromeの拡張機能を改良するための大規模な計画を明らかにした。その後2019年1月になって、開発者らはその計画の一部である「Manifest v3」によってアドブロッカーに悪影響がもたらされる可能性に気付いた。Manifest v3は、Chromeの拡張機能のパフォーマンスやプライバシー、セキュリティの向上を目的としているものの、拡張機能がウェブサイトの性格を検証する方法に対して制限を課すという側面も有している。一部の開発者は、これによってアドブロッカーや、プライバシー保護のための拡張機能が大きく損なわれると述べている。
GoogleのSimeon Vincent氏は「Chromium」ブログで、「この変更の動機や狙いについては、アドブロッカーの排除や弱体化を目的としているという憶測を含め、さまざまな混乱や誤解が見受けられる。断じてそのような目的ではない」と述べている。
この議論には、アドブロッカーがどの画面をふるい落とし、どの画面を表示するのかを決定するために使用するルールに関するものも含まれている。Chromeの現時点の設計では、大量のルールの使用が認められているため、例えばアドブロッカーは、ウェブサイト上の要素が広告関連にひも付けられているインターネットアドレスの長大なリストに合致するかどうかをチェックできるようになっている。新たなアプローチではこういったルールに最大3万件という制限を加えることが提案されていた。その結果、これらのリストを使用するアドブロッカーなどの機能拡張に足かせをはめる可能性があった。
またVincent氏は同投稿で、ルールの上限をChrome全体で15万件に引き上げると発表した。なお、Googleは5月に法人ユーザーへの適用除外も計画していると述べている。
Vincent氏は、Manifest v3はまだ策定中の段階であり、開発者とともに作業を進めていくという点を強調している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。