ウイルス感染などのセキュリティ問題は、これまでいわゆるコンピューターの世界で起こるものというイメージがあったかもしれない。しかし、IoT(Internet of Things)の普及などによって、工場などで稼働する産業用制御機器(ICS)が今後当然のようにネットワークにつながるようになってくる。
Industrie 4.0や第4次産業革命などと呼ばれる動きも、こうしたICSのネットワーク化を前提に語られている。ICSがサイバー攻撃を受け誤作動を起こしてしまうと、その被害はコンピューターの世界にはとどまらなくなる。人命にかかわるような物理的な被害も想定されてくる。
鋼板加工機器でのウイルス感染は、2018年8月に新規導入した不正侵入検知システム(IDS)で不審なDNSクエリーを検知したことで分かったという。DNSサーバーのログ調査で、機器を設置した時期から2年近くに渡って不審なDNSクエリーが発生し続けていたことが分かった。
ここにきて、自動車業界などでは、ICSのセキュリティ確保に向けた、会社の垣根を超えるような協業の動きも見られるようだ。製造業が特に多く、存在感を持つ日本ではなおさら、今後が懸念される話題でもある。
産業用制御機器のセキュリティ面に焦点を当てた記事を集めた。