通信キャリアやヤフーなどの大手企業がスコアリングサービスに次々と参入している。サービスの利用状況などさまざまなデータを解析し、ユーザーの信用をスコアで導き出すというもの。信用スコアに応じて融資を受けられるなどのメリットがある。日本での個人の信用は、勤務企業、勤続年数、資産状況で評価されてきたことを考えると、サービスの利用状況で測る信用スコアは、新たな指標といえる。
中国では、シェアカーに信用スコアが導入されるなど、すでにかなり普及している状況だ。
一方で、懸念も指摘されている。ビッグデータを扱うサービス提供会社は、データを使って新規事業を開始することも考えられる。信用スコアを上げるため、個人情報を特定の企業に渡すことで、過度な顧客の囲い込みにつながるのではという声も出てきた。
リクルートキャリアが運営する就職情報サイト「リクナビ」で、就職活動をする学生が、企業の内定を辞退する可能性を同意なしに予測し、38社に有償提供していたことが問題になった。スコアリングサービスによるプライバシー被害が早くも出現した格好だ。
ビッグデータ活用についてまわる光と影。データ解析技術の進展を含め、大きな流れはチェックしておきたい。