PwC Japanグループは11月26日、アジア太平洋(APAC)地域のビジネスリーダーを対象に実施した年次調査の結果を発表した。回答者の37%が、今後2年間で最も重視する戦略分野に「高度自動化とAI」を挙げている。
調査は5~7月に、アジア太平洋経済協力会議(APEC)を構成する21カ国・地域のビジネスリーダー1014人を対象に実施した。
それによると、2020年に深刻化すると予想されるビジネス課題では、25%が「外国人雇用に関する課題」、26%が「外国とのサービスのやり取りに関する課題」、24%が「データの移動に関する課題」を挙げた。また44%は、自社事業の成長力に最も大きな影響を及ぼす政策変更を「関税の引き下げ」と回答した。特に米中貿易摩擦の解決へ期待があり、次年度の売上成長に「非常に自信がある」と回答したリーダーは前回調査(35%)とほぼ同じ34%に上った。
雇用については、自動化によって雇用が増えたとする企業が36%で、雇用を減らした企業の24%を上回った。自動化に伴って従業員の役割や責務を見直す企業も増えたが、23%は「必要な人材を確保することが難しい」とし、既存従業員の能力向上のための投資を増やす企業が増えたとする。次年度にデジタルスキル開発への予算配分を増やすと答えたリーダーは86%に上った。
また、社会の信頼を高める上で規制強化が望まれる分野としては、76%がサイバーセキュリティ、72%が人工知能、70%が個人情報保護を挙げた。
回答者の37%は、今後2年間に高度自動化とAIが幹部レベルにおける優先課題だとしており、49%は部門レベルもしくはIT部門の優先課題だとした。高度自動化とAIを主要なファクターではないと見ているリーダーは12%だったという。