米Xeroxは、繰り返し拒否されたにも関わらず、同社のHP買収案は合理的だと訴えかけている。Xeroxは、米国時間12月9日に公表した投資家向けプレゼンテーション資料の中で、同社が提示した買収案の背景にある考え方を説明し、この買収はHPの株主にとって利益になると主張した。
同社は11月、HPに対し株式1株あたり22ドル(構成は現金が77%、株式交換が23%)での買収案を提示した。これに対しHPの取締役会は、この提案を全会一致で否決し、提案はHPの価値を大幅に過小評価しており、株主の利益にならないと異議を唱えた。HPの時価総額は270億ドル(約2兆9000億円)で、Xeroxのおよそ3倍だ。
Xeroxはその後、HPの取締役会に対して買収案の再検討を求める書簡を送り、受け入れられない場合はHPの株主に直接働きかけるとしていた。それに対し、HPの取締役会はXeroxとIcahn Enterprisesに対して、実質的にXeroxの財務状態は自社よりもはるかに規模の大きな企業を買収できるほど余裕のある状況ではないなどと指摘する書簡を返した。
これを受けてXeroxは、最高経営責任者(CEO)John Visentin氏が一部のHPの株主と会い、買収案の要点について説明を行っていることを明らかにした。Xeroxの言う「疑う余地のない」ロジックによれば、合併によってキャッシュフローが増加するため、負債は削減され、株主の資本収益が増加し、イノベーション投資の拡大が促されると想定されるという。
Xeroxはまた、HPが抱えているいくつかの市場ギャップは、Xeroxが得意とする領域だとも述べている。同社は、両社の相互に補完的なポートフォリオを合わせることで、双方の有効市場規模が拡大すると主張している。
Xeroxはさらに、HPの再編計画に対するアプローチを批判し、1ドルの経費削減のために1ドルのキャッシュを費やすのでは、将来の業務効率化にはつながらないなどと主張した。Xeroxは、同社の再編計画では、人員削減ではなく業務運営とキャッシュフローの改善を重視すると述べている。
またXeroxは、相互に3週間の資産査定を行うことを再び求めており、この作業は「面倒なものではなく、仮定を検証し、両社の組み合わせのさらなるメリットを見出すのに役立つ」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。