ヌーラボは3月26日、プロジェクト管理ツール「Backlog」ユーザーなどの対象に、新型コロナウイルスに伴うテレワークの状況を調査した結果を発表した。ITやインターネット企業のテレワーク利用率は4割未満だった。
調査は3月3~13日にアンケートを行い、668人の有効回答を得た。このうちITやインターネット業界の企業に所属するとした462人の回答内容を分析している。
これによると、新型コロナウイルスの流行し始めた2月にテレワークをした回答者は35.3%だった。企業側の対応では、以前からテレワークを導入していたのが33.8%、新型コロナウイルスの流行で許可されたのが23.4%だった。
一方、新型コロナウイルスの流行でも許可されていないという回答者は23.8%、19.0%が「その他」としたが、この内訳は「一部職種のみ許可された」「今回をきっかけに検討が開始された」「テレワークに関する言及が一切されなかった」が目立つという。
Backlog総研調べ
さらに、以前からテレワークを導入している、あるいは、新型コロナウイルスの流行によって新たにテレワークを許可したケースでも、実際にテレワークをした回答者は59.6%だった。
テレワークをしなかった回答者が挙げた理由では、「出社しないとできない業務がある」が66.7%で最も多く、「PCが1人に1台ない、持ち出し禁止」(22.2%)や「他の社員が何をしているのか分からない」(11.1%)が続く。
同社は、テレワークを導入、利用しやすいイメージがあるITやインターネット業界の企業でも実際には進んでいない様子がうかがえると指摘。自由回答では、「テレワークは無給扱いになると通達があった」「規程がないため労働時間にはならないと通達があった」「派遣社員のテレワークが許可されていなかった」「推奨していると会社は公表しているは実際にはできなかった」「請求書など、紙文化が残っているため対応できなかった」などの声があり、テレワークが浸透しない背景に、企業側の環境整備や規程整備の遅れがあるようだとしている。