Cisco Systemsは米国時間6月16日、ビデオ会議およびコラボレーションプラットフォーム「Webex」の新しいセキュリティ機能と連携機能を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大でリモートワークする人が増えたことにより、Webexも他の多くのビデオ会議ツールやクラウドコラボレーションツールと同様、ユーザー数が急増している。今回のアップデートは、そうした中で発表された。
Webexの4月の利用時間は合計で250億分に達し、これは通常の3倍以上だという。この状況を受けて、同社は世界中でシステムの性能を強化する取り組みを続けており、このほど対応能力を以前の3倍に増やした。
Ciscoのコラボレーショングループでバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるJaved Khan氏は声明で、「当社の取り組みの根幹にあるのは、従業員や国家元首、医療提供者など多くのユーザーが安全に接続して、生産性を発揮できる状態を維持することだ。感染拡大前から、Ciscoは世界最大のコラボレーションプロバイダーの1つであり、世界のビデオ会議のほぼ半分をサポートしていた。現在は、通常の3倍のボリュームをサポートしている」と述べた。
また、特に厳しい規則を順守する必要のあるユーザー向けにWebexプラットフォームのセキュリティを一層強化するため、Ciscoはデータ損失防止(DLP)の保持、「Legal Hold」(法的保留)、および「eDiscovery」機能を「Webex Meetings」に拡張した。これにより、録音や録画のデータ、文字に起こした文章、アクションアイテムなど、あらゆる会議コンテンツを新たな水準のセキュリティで保護することができる。
会議データをさらに強固に保護するため、エンドツーエンド暗号化のオプションにGCMモードのAES 256ビット暗号化も追加した。
新しい連携機能も追加した。これは、特に大企業全体や医療セクターがリモートワークに対応する際に役立つはずだ。「Webex Teams」は、広く使用されているクラウドコンテンツ管理プラットフォーム「Box」と連携した。
さらに、Webex Teamsは電子カルテ(EHR)を手がけるEpicとも連携。Epicでは現在、2億5000万人以上の患者の電子記録を保管している。この新しい統合により、医療提供者はWebex Teamsを使用して、ビデオで患者を往診したり、病歴を確認したり、臨床文書を更新したりできるようになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。